チェロのシラバスを翻訳する(4)-グレードの説明2020/07/19 23:00:00

チェロのシラバスを翻訳してみた。今回はグレードの説明である。

http://www.cello.org/libraries/references/graded.html

訳が途中までしかできなかったので以降は放置している。

グレードの説明

初級

I

開放弦、ハーモニクス、予測可能なリズムでの通常の第1ポジション、主に単純なな音階の動きにそった練習、弓の持ち方、弓の位置、移弦、耳のトレーニング、イントネーションの確立、ポジションの固定、記憶

II

アルペジオの動きのある第一ポジション、上達に必要な、音、強弱、運弓、運弓パターン、レガート対スタッカートのアーティキュレーション、初見視奏、より速い運弓、低弦での各長調での演奏、部分的なスラー

III

ファーストポジションにおける、より難しい運弓と運指-広い形の運指、デタッシェ、スラー、急速な移弦、非和声音、付点音符

IV

限られたネックポジション間のシフト-ブラシ・ストローク、強いコアサウンド、インチワーム拡張・シフト</li>

中級

V

すべてのネックポジション間のシフト、ビブラートの初歩 --- 前後打音や装飾音、トリルを考慮した付点音符やさらに複雑なリズム

VI

すべてのネックポジション間の滑らかなシフト、遷移ポジション、ビブラート-長く持続する運弓、短音階、テナー音部記号、第5ポジションから第7ポジション、高いB、C、C#へのシフト、不均等な弓配分、簡単なダブルストップと和音

VII

形式の長い作品で、ネックポジションと遷移ポジションの頻繁な移動、高音のハーモニクス、様々なスタイルのビブラート-- テナー記号、ダブルストップと和音、協奏曲スタイルの奏法、さらなる複雑な形式、さらなるパッセージの対照、複雑な移弦

VIII

ネックポジションと遷移ポジションの頻繁な移動のある作品で、時折高音域での音階や親指ポジションがある。--ハーモニクスをもとに位置決めができる親指ポジションや簡単な音階の動き

上級

IX

長く、演奏のしがいがある、音楽的な深みのある作品。ネックポジションと遷移ポジションの頻繁な移動があり、親指ポジションを使うパッセージもある--ト音記号のあるパッセージ、安定した親指ポジション、複数の親指ポジションパターン、親指の強さと耐久力の持続、親指ポジションの完全性・一貫性の持続、、すべての弦での移弦、アーティキュレーションとニュアンスを実現する洗練されたボーイング。

X

チェロの音域を完全に利用した作品。親指ポジションを使うパッセージを含み、典型的な音階パターンやアルペジオターンを使う――任意の高いポジションでの親指ポジション、三度、六度、オクターブ

XI

滑らかな演奏を必要とする作品で、楽器の全体の音域にわたり程度の高い親指ポジションを使う―音域すべてにわたる親指ポジション、安定したスピッカート、速い、人工ハーモニクス、極めて速い技巧的なパッセージ、不均等な間での多彩なシフト、親指ポジションでのダブルストップ。

XII

名手的作品。技術的な要求を完全にものにするだけでなく、さらに成熟した解釈と技芸のセンスを要求する作品。--異なる調的語法の仕様、複雑かつ複合したリズム、現代的なスタイル、耐久試験性

XIII

ベテラン、熟達した演奏家のための、技術的に卓越した、また音楽的に意欲を掻き立てる音楽

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以下は訳者による用語集である。

用語集

ネック・ポジション neck position

第1ポジションから第4ポジションの総称

遷移ポジション transitional position

第5ポジションから第7ポジションの総称

ブラシ・ストローク

長めのスピッカート

インチワーム

尺取虫。インチワーム拡張・シフトとは、左手のある指を基準として固定して尺取虫のように伸ばしたり縮めたりして別の指を新たに固定したのち、新たに固定した指を基準としてさらに別の指を伸ばしたり縮めたりすることを指すと訳者は想像している。

移弦 string crossing

弓で弾きながら弾いている弦を他の弦に移すこと