相うな重ということばを初めて知る2024/03/28 23:06:32

将棋であることばを調べていたら、Wikipedia に将棋用語一覧という項目があった。最初の用語と説明を見てのけぞった。

相-(あい-)
双方が同じような陣形になる戦型や局面の状態を表す接頭辞。俗に盤上以外の事柄にも用いられる。〈例〉相居飛車、相振り飛車、相穴熊、相入玉、相うな重など。

なんだ、この相うな重というのは、将棋用語なのか。説明を最後まで読んで得心した。俗に盤上以外の事柄にも用いられる。とあるから、これはきっと、昼か晩の休憩で棋士が出前をとったとき、両対局者の注文がともにうな重であることを指すのだろう。うな重といえば、加藤一二三九段の専売特許だから、加藤九段の相手もうな重を頼んだら相うな重が実現するというわけか。

リハーサルマークのフォネティックコードを再度考える2023/09/27 21:22:34

以前、リハーサルマークのフォネティックコードを考える、という記事を書いた。作曲家の名前でフォネティックコードを作るにはどんな作曲家が適当かという主旨であった。さて、オーケストラの練習に参加しているとき、指揮者がどのようにフォネティックコードを言っているかが気になった。あるとき、「ABCのB、あ、これは意味ありませんね。ベートーベンのB!」と言ったことがあった。これはかわいい。しばらくして進んだらつっかえた。すると指揮者は「グスタフのG!」と叫んだ。そういえば、グスタフのGは、前にも別の指揮者で聞いたことがある。指揮者はやっぱり、グスタフ・マーラーが好きなのだろうか。グリーグのGとか、ガーシュウィンのGとか、聞いたことがないしなあ。

クーラーといってしまう2023/08/28 23:59:59

私がつくづく昔の人間だと痛感することがいくつかある。その一つは、空調の冷房をかけようとするとき、「クーラーをつける」と言ってしまうことである。「クーラー」というのは「ナイター」や「ガソリンスタンド」と同じく、和製英語である。だから、英語を普段から使う人と話す必要があるときのために、「ナイトゲーム」とか「ガスステーション」などと同じように普段から「エア・コンディショナー」と言わないといけない。私にはそんな強迫観念がある。しかし、やはり夏の暑いときに効くのは「エアコン」ではなく「クーラー」である。「クーラー」ということばでないと、効かないのだ。困ったことだ。「エアコン」だって和製英語だと主張して、クーラーの妥当性を信じている老人がここにいる。

質問する2023/07/29 13:07:29

今日は1年に1回、出席しなければならない会議に出た。昔、会社の上司に「会議に出席するのなら必ず1回は質問でもいいから発言するように。発言しない会議は意味がない」と言われたことがあった。私が仕えてきた上司は何十人もいるのでどの上司だったかさっぱり覚えていないが、言われたことだけは覚えていて、ほぼこの教えを守るようにしている。

別にたいした質問をしているわけではない。かといって「今何時ですか」という質問をするわけにもいかない。だから、当たり障りのない質問になる。私がよく使う手は、「議題に●●とありますが、これは具体的にはどういうことですか」という質問だ。紙に書かれた議題がなければ、誰かの発言を受けて「今の発言で〇〇ということでしたが、これは具体的にはどういうことですか」という質問に変える。これが具体的な成果を生むわけでもなんでもないのだが、回答者が話好きの人だと、具体的な直接の答のほかに関連する(あるいは関連しない)情報も伝えてくれるので、これがうれしいわけだ。

花鳥風月を思い出す2023/07/19 23:59:59

最近の新聞記事で知ったことがある。内田百閒が学生に提出課題を出すのだが、ろくに中身を見ない。それでも評価はしなければならないのだが、百閒先生の課題に対する評価は「花」、「鳥」、「風」、「月」のいずれかである。絶妙なのはこれらの言葉の選び方で、どれがどれより優れているとか劣っているとかの意味が一切ないことである。したがって、課題にランダムにこれらの評価を割り当てても実際には意味を持ちえない。よくぞ考えたものだと思う。

統計用途で使われることばで、尺度の種類がある。一般には、名義尺度、順序尺度、間隔尺度、比率尺度の4つの分け方がある。名義尺度に意味があるのが、等しいか異なるかのみである。大小関係にも意味がないし、ましてや差や比にも意味はない。一方で順序尺度は等しいことのほかに大小関係にも意味がある尺度である。花鳥風月はまさに名義尺度として名づけるのにぴったりである。甲乙丙やABC、123はどうしても順序尺度としての意味を暗に引きずっている。

ところで最近、種類が3の名義尺度でふさわしいものがないかどうかを考えていた。少し調べて、どうやら「雪月花」がふさわしいという結論に足した。なお、グーチョキパーは、推移律が成り立たないが順序尺度が入ってしまって、まずい。

ククレカレーを思い出す2023/02/08 23:59:59

ハウス食品のバーモントカレーを思い出したら、次はおなじハウスのククレカレーについて芋づる式に連想が働いた。ククレというのはどういう意味なのだろうか、過去にハウス食品が掲載していたホームページ上のpdf文書から引用する。

<ネーミングについて>
中袋(レトルトパウチ)の封を切らずに、そのまま熱湯の中に入れ、3~5分沸騰させるだけで食べられるため、材料を切ったり煮込んだりという調理の手間がかからないことから、「クックレスカレー(Cook-less Curry)」 →「ククレカレー」と名付けた。

これもまた知らなかった。「おせちもいいけどカレーもね」という、コマーシャルで使われた惹句はキャンディーズが言っていたこともすっかり忘れていた。

ハウスバーモントカレーを思い出す2023/02/07 23:59:59

いつだったか、アーモンドの入ったお菓子を食べていたら、そういえば、アーモンドカレー、ということばが思い浮かんだ。しかし、少し考えて、いや、あれはバーモントカレーだよな、西城秀樹がコマーシャルに出ていたあれだ、と思い直した。そして、そういえばバーモントとはどういう意味なのだろう、と不思議に思った。ハウス食品のホームページを見てみると、こんなことが書かれていた。

当初「フルーツカレー」の開発名で進めていましたが、当時話題になっていたリンゴ酢とハチミツを使ったアメリカ東部にある長寿で有名なバーモント州に伝わる民間療法 「バーモント健康法」にちなんで「バーモントカレー」と名付けられました

知らなかった。だいたいバーモント州がアメリカにあるなんて知らなかった。バーモントは Vermont と綴ることも今初めて調べて知った。

コンピュータの言語仕様を調べる2023/01/10 23:59:59

最近、特定のコンピュータ言語の細かな挙動を調べようと思い、日本語のキーワードを入れて調べた。すると、検索で上位に出てくるサイトの情報はどれも表層的で、私の知りたい情報にはたどり着けなかった。仕方がないので英語のキーワードを入れると、英語のみで書かれたそのコンピュータ言語の総本山にたどりついた。ページはこれでもかというぐらい多くの情報が英語で書かれていてくじけそうになったが、私のつたない英語力を総動員して、やっと私の得たい情報を得ることができた。ちなみにそのページには日本語訳もあるのだが、そちらには日本語の検索エンジンでは到達できなかったのだ。

私が得た教訓は、回り道でも英語を使えば目的とする情報が得られる、ということだった。

森永チョコフレークが製造終了したことを知る2022/11/08 23:59:59

最近知ったのだが、森永チョコフレークが製造を中止したという。それも 2019 年のことだ。製造中止になることを知っていれば、見つけて食べておくのだった。現在は後継の「森永チョコフレーク<武骨な塊>」があるらしいから、見つけたら買っておこう。

この後継の「武骨」ということばの響きはいかにも武骨なので面白い。誰かが「支離滅裂」ということばの響きや漢字の作りがいかにも支離滅裂なので面白いといっていたことを思い出す。

福音書の一節を思い出す2022/08/01 23:59:59

これは呉智英さんの著書で知ったことなのだが、聖書(新約聖書)の福音書にはこういうことが書いてあるという。

わたし​が来​たの​は地​に​平和​をもたらすため​ではない。
剣​を​投ずる​ため​に​来​た​のだ。(マタイによる福音書 10:34)

その後も不穏なことばが続く。実際の意味は聖職者によっていろいろと言われているようだ。私はキリスト教信者ではないのでこれ以上の突っ込みは控えるが、キリストがこのようなことを言っていたことは興味深い。

そういえば、Matthew's Passion を「マシューの情熱」と訳した本があったという噂を聞いたが、うわさに過ぎなかったのだろうか。「マシューの情熱」というキーワードで Duckduckgo に検索させたら、いくつかは「マタイ受難曲」のページにヒットしたし、まさにこの誤訳を指摘したページも複数見つかった。

私が大学生のとき、あるドイツ語の授業はバッハの「マタイ受難曲」を購読するものだった。音楽が関係するからうれしいと思っていたが、さぼり癖がついたさなかだったため結局最初の1回しか授業に出なかった。なんとももったいなかった。授業には出なかったが、代わりに中古のマタイ受難曲のレコードを買って何度も聴いたので、教官の意図は汲んでいたのではないか。試験対策として、日本語訳はそのレコードの解説についていた対訳で凌いだ覚えがある。