フォーレマラソンを振り返る2026/03/02 22:50:07

フォーレマラソンに行ってきたのは昨日だった。あっという間に一日がたったが、まだ余韻が残っている。いろいろな演奏家を耳にすることができて、まさに至福だった。あと1週間ぐらいは余韻を浸っていたい。

フォーレマラソンに行く2026/03/01 23:19:28

きょうは横浜みなとみらいホール 大ホールで行われた「国際音楽祭NIPPON2026 フォーレ室内楽全曲マラソンコンサート」(以下「フォーレマラソン」)に行き、フォーレの室内楽をたっぷり聴いてきた。以下はどうでもいいことである。

フォーレマラソンは第1部から第4部まで計4部からなり、第1部の開演は11:00だ。私の住居は埼玉県にあり、かなり前に出なければいけないことはわかっていた。しかし、何時に出たらよいものやら今朝迷っていたら、身近にいる人から「行くならさっさと行け」と叱られたので8:00前に家を出なければならなかった。ただこれが功を奏して、時間はかかったが、家から会場まで、一番安い経路で行けた。ちなみにこの経路では、会場までは横浜駅から徒歩でいくことになる。帰りはさすがに時間がかかりすぎるので会場から桜木町駅まで歩いて京浜東北線に乗った。

昼飯は下調べしていたインド料理店に行き、食べ放題のランチで腹を満たした。隣に座った人も、フォーレマラソンの客であることがわかったが、当然というべきか、食べ放題のランチではなかった。

会場には山高帽をかぶった人がいた。フォーレではないはずだ。

第1部と第2部の休憩時間に、ロビーコンサートがホール2階のロビーで行われた。立ち見客がぎっしりいた。演奏空間から少し離れたところに階段があり、その段差に立って聴こうとする客に対し係員が「通行の邪魔になるのでステップでは立たないでください」と何度もお願いしていた。たいていは客は移動していたが、ある客は注意されて「だって人が多すぎるでしょう!」と叫んで係員に向って切れていた。フォーレのコンサートに来る客であっても、困った客がいるものだ。私は、階段のステップではなく、踊り場に立って聴いていたが、幸い係員からの注意はなかった。

診療所の待合室でフォーレのシシリエンヌが聞こえてくる2026/02/26 11:50:33

私には、残念ながら定期的に行かないといけない診療所がある。あるときその診療所で待っていると、かすかにどこかで聞いたことがある音楽が聞こえてきた。耳を澄ますと、フォーレの「ペレアスとメリザンド」の「シシリエンヌ」であることがわかった。チェロ版でもフルート版でもなく、オーケストラ版だった。この診療所は前にも待合室でフォーレのトリオ(三重奏曲)やクインテット(五重奏曲)第1番を流すなど、なかなか怪しい。一度この診療所の医師に尋ねてみようかとしたことはあるが、もともと診療所には病気を治すために出かけているので雑談をしに出かけているのではないので、おそらくこの診療所にかかるのを辞めるまで話にはださないだろう。

このブログでもシシリエンヌ(シチリアーノ)については何度も話題にしている。

今回は、転調した箇所を楽譜にしてみた。


フォーレの「身代金」がミラシドで始まることを発見する2025/11/29 09:40:42

きのうテレビを見ていたら、ランサムウェアについて報道していた。ランサムは身代金の意味だという。そういえば、フォーレに「身代金」という歌があったはずだ。確かにあって、ボードレールの詩につけた歌で、 La rançon という表題だ。そうか、フランス語ではこういうのかと一つ勉強になった。なお、このLa rançonは「身代金」と訳されるが、「償い」という訳もある。さて、改めてこの歌の楽譜を見てみると、ミラシドで始まっている。もう一つ勉強になった。

西岡沙樹のフォーレピアノソロ作品全集第1巻を聴く2025/11/26 19:35:29

しばらく前に、西岡沙樹による「ガブリエル・フォーレ:ピアノソロ作品全集第1巻」を注文した。このCDが手元に届いたので早速きのう、家で聴いた。なかなかよい。細かなところは私の趣味とは違うが(当たり前だ)、追って何度も聴いていけば慣れると思う。

ちなみに、この第1巻には、ヴァルス=カプリス全4曲、無言歌全3曲、即興曲第1番~第5番、マズルカ、バラード(ピアノソロ版)、舟歌が収められている。即興曲第6番は第2巻に収録と書かれていた。

フォーレのピアノ五重奏曲第1番の演奏を聴きに行く2025/11/24 21:06:09

チェロの達人である友人の K さんから、フォーレのピアノ五重奏曲を弾くので聴いてほしい、という誘いがあったのがおよそ半年前だった。その後、11/24 に演奏するということがお知らせがあり、期待に胸を膨らませて出かけることにした。演奏会場は、山手線の某駅から某私鉄で4駅あまりの場所にある。私は運動不足解消と運賃節約を兼ねて、山手線の某駅から演奏会場まで歩くことにした。山手線の駅からは会場まで歩いていくとして、途中でどこか昼食をとる時間も含めて2時間近くあれば十分だろうと思い、家を出た。

ところがもくろみは崩れ去った。自宅から電車を乗り継いでいくといろいろ乗り換えに時間がかかったりして、実際山手線の某駅についたのは開演の1時間半前で、しかも山手線を降りて道に迷って反対側を目指して歩こうとしたりして、まったくもって困ってしまった。ただ幸い、比較的駅間が短い路線だったことと、地図をしっかりもっていたこと、昼食を速く食ったこと、これらの幸運が重なって、開演の15分前には会場に着くことができた。

会場の中に入るとほどなく K さんがいたので、少しだけ話をした。私は、「自分はもう仕事をしていないから、自分が所属している団体に練習に出かけることをしなくなったら、本当に引きこもりになってしまいます」と自嘲気味に話すと、K さんは「おっ、弾きこもりですか」と返して来た。本番前で緊張しているかと思いきや、さすがである。

申し遅れたが、この演奏会は、ピアニストの F さんが(1曲を除いて)と登場する演奏会で、ソプラノ独唱や、ヴァイオリンソナタ、弦楽四重奏曲、ピアノソロ、クラリネットソナタなどが演奏された。フォーレの五重奏曲はトリである。K さんと、F さんや他の演奏者との関係は特には尋ねなかったが、きっといろいろなご縁があってのことなのだろう。ちなみに、ピアノ五重奏曲を弾くセカンドヴァイオリンの方は、この演奏会の最初でソプラノの歌手として登場した方だった。二刀流か!そしてフォーレの曲についての演奏前の紹介はK さんからだった。はにかみながら話す姿がいい。

期待していたフォーレの五重奏曲はすばらしかった。みな熱がこもった演奏だった。どの楽章も好きだが、私が特に好きなのは第2楽章の中間部で、5人の演奏もうまく雰囲気を出していた。帰りは K さん夫妻にご挨拶をして家路に着いた。これからはもっとフォーレの室内楽を聴くことにしよう。

フォーレとシューベルトのコンサートに出かける2025/11/01 10:05:21

きのうは鈴木愛美のピアノ・リサイタルを聴きに、東京オペラシティ コンサートホールに出かけた。曲目は次の通り。

  • シューベルト:高雅なワルツ集 D 969 Op.77
  • フォーレ:主題と変奏 嬰ハ短調 Op.73
  • フォーレ:ノクターン第6番 変ニ長調 Op.63
  • フォーレ:ワルツ・カプリス第2番 変ニ長調 Op.38
  • シューベルト:ピアノ・ソナタ 第18番 ト長調 D 894 Op.78 「幻想」

シューベルトを両端とし、フォーレを挟む珍しいプログラムである。私のお目当てはもちろんフォーレだ。この日はこのフォーレに期待してかなり前から安価な席を買っていた。当日つくと2階席で、なおかつピアノの背面の位置よりさらに背面の上手側だった。音響は期待できなかった(特に低音が伝わってこなかった)が、ピアニストの顔やつむじを拝めたのは収穫だった。

冒頭のシューベルトはいいですね。「高雅なワルツ集」は初めて聴いたが、リストの「ウィーンの夜会」の原曲になったワルツも入っていて、むしろ素朴な分だけシューベルトの原曲のほうが好きになってしまいそうだった。

フォーレはいろいろと気になるところがあったが(なんといってもこれらの3曲はすべて自分が人前で弾いたことがある)、やはりプロの技というのはこういうものだと見せつけられた感じがして、恐れ入りました、というのが正直なところだ。個人的にはワルツ・カプリスが最もよかったかな。こうやってプログラムの前半をワルツで始めてワルツで終えるというのもプログラムで計算しているところなのだろう。ちなみに、プログラムの前半は、ピアニストはシューベルトで一度退いたが、フォーレのときは退かなかった。主題と変奏の最後では拍手がおきず、そのままノクターン第6番に進んだ。ノクターン第6番を終えると拍手があったので立ってお辞儀をして、そのままワルツ・カプリスに進んだ。

後半のシューベルトもよかった。私が初めてシューベルトのピアノソナタとして意識した曲がこの D 894 だった。その後、第16番 イ短調(D845) が好きになり、さらにそのあと第14番イ短調(D784や第19番ハ短調(D 958)に心が惹かれるようになった。そして、第21番変ロ長調(D960)は別格であがめている存在だ。そんななかでも、D894 はシューベルトのピアノソナタの中で私の原点だ。第1楽章冒頭の 11:1 のたゆたいをなんと表現すればいいのだろう。第3楽章のトリオにソドレミとミラシドがあるのもいい。

アンコールは2曲、シューベルト=リストの「ウィーンの夜会第6番」(一部が冒頭の高雅なワルツ集から取られている!)とシューベルトの「楽興の時第3番」だった。

クリニックでフォーレが聞こえてくる2025/08/26 14:53:35

二か月に一度行くクリニックがある。数年前初めて行ったときには昔、フォーレの(ピアノ、ヴァイオリン、チェロのための)三重奏曲 Op.120 の第1楽章が聞こえてきたことがあり、その後行く都度この三重奏曲だったが、数回するとほかのドビュッシーの音楽になったりした。今日はどうだろうか、と思って待合室にいたら、フォーレの室内楽でびっくりした。あまりの驚愕のため、あれほど何度も聴いているはずの曲が何なのか、5秒間ぐらいわからなかった。心を落ち着けて聴きつづけると、(弦とピアノのための)五重奏曲第1番の第1楽章だった。場所は、展開部の中ほどから再現部を迎えようとするあたりで、いよいよ再現部かと思ったそのときに、私の名前が呼ばれた。診察室に入ると当然音楽は聞こえない。ちょっとがっかりした。

譜面は102小節(練習記号12)から105小節までである。チェロはこの譜面ではピチカートで始まり途中アルコに代わるが音にはうまく反映できなかった。

フォーレ「ドリー」のオーケストラ編曲を見る(6)2025/06/11 22:49:52

前回からだいぶ日が経過してしまった。フォーレ「ドリー」のオーケストラ編曲を見る(6)は第6曲の「スペイン舞曲」である。最終曲になってやっとすっきり速い曲である。金管や打楽器が大活躍するのもたのしい。なお、この編曲のダイナミクスにはいろいろと突っ込みたいところがあるので、それは追って時間があれば記す。

フォーレ「ドリー」のオーケストラ編曲を見る(5)2025/05/21 22:21:51

フォーレ「ドリー」のオーケストラ編曲(5)として5曲目の『優しさ(タンドレス)』をとり上げる。私見では、ドリー全6曲のうち、最もフォーレらしさが出ている曲ではないかと思う。

主部はのらりくらりとして(音楽のたとえにのらりくらりというのもおかしいが)つかみどころがない。管弦楽配置でいうと、メロディーをVn1とVn2だけでなく、チェロもdivisitの上がメロディーを奏している。この上のチェロは音域が結構高いので大変だ。ほかに和声を担当するのはCl, Fg(バソンというべきか), Tb, Hr, Va, Cb である。と中間部は一番オーボエと一番ホルンがカノンの先と後を担当する。音楽の流れはハープが作る。主部が戻ったあと、ごく短いコーダがついて終わる。