フォーレの「主題と変奏」を聴く2025/04/17 22:57:06

フォーレの「主題と変奏」を久しぶりに聴いた。ジャン=フィリップ・コラールの演奏である。リズムの趣味が俺とは合わないが、それでもいい曲だ。

フォーレの歌曲集『幻影』を聴く2025/04/07 22:58:17

フォーレの歌曲集『幻影』を聴いた。『蜃気楼』と訳される場合もあるこの歌曲集は、やはり歌曲集『閉ざされた庭』に比べて一曲が長いためか、一つの歌でいろいろな相貌が現れる。特に、第2曲 『水に映る影』の後半で、一度歌のみとなりピアノ伴奏が途切れたのち、3連符を刻むところにフォーレの真骨頂を見る。

フォーレの『春の使い』を聴く2025/04/05 12:27:06

きのうはエレファントカシマシの『上野の山』について書いた。春つながり、4月つながりなので、フォーレの歌曲集『閉ざされた庭』(『閉じられた庭』)に収められた『春の使い』(『使いの女』、" La messagère")を聴いてみた。冒頭のピアノの分散和音に乗って、"Avril" と単刀直入に歌う明るさが好きだ。カミーユ・モラーヌの歌唱がいい。

「佐渡島、忘るべからず」のコマーシャルにフォーレのシシリエンヌが使われていることを知る2025/03/28 22:09:14

きょう、昼間のテレビを見ていたら、フォーレのシシリエンヌ(シチリアーノ)のオーケストラ版が聞こえてきた。佐渡島への観光を促すコマーシャルらしい。そして、最後に「佐渡島、忘るべからず」という声でおしまいとなった。なぜ佐渡島のコマーシャルのフォーレのシシリエンヌなのかはわからないが、ともかくフォーレの音楽はよい。

藤井一興氏の訃報に接する2025/01/22 23:35:04

今朝の新聞を見ていたら、訃報欄にピアニスト・作曲家の藤井一興氏が出ていた。享年70歳。まだまだ活躍できたと思う。

藤井姓の有名人で思い出せるのは、将棋の藤井猛、藤井聡太とピアニストの藤井一興である。藤井一興を知ったのはたぶん藤井猛を知るより早かったはずだ。もっとも、藤井一興の演奏を生で聴いたのはもっと後で、彩の国さいたま芸術劇場でフォーレのノクターン全曲演奏が最初だったと思う。演奏そのものは当然すばらしかったが、私が覚えているのは、前半は暗譜だったが途中で演奏が怪しいところがわたしにも分かるレベルであったことだ。後半は譜面を見て弾いていたので、ひょっとした暗譜がうまくいっていなかったのかもしれない。その後、フォーレ協会でも演奏を聴いたが、このときは最初から譜面を見ながら弾いていたように思う。

今日は、藤井一興がフォンテック(fontec)に録音したフォーレの「舟歌全曲+バラード」のアルバムから舟歌第5番を聴いて、故人を偲んだ。

組曲『ドリー』のスコアを買う2024/12/01 12:04:54

ドリー第6曲のスコア

きのうはフォーレの組曲『ドリー』のスコアを買った。買って最初に調べたことは、《組曲「ドリー」管弦楽版のチェロパート譜の誤植に悩む 》で書いた、arco の指定がどうなっているかというところだった。見てみると、練習記号7のところにもarco の指定はないし、その前の107小節からにもない。つまり、IMSLP のスコアと同じことか。まあ仕方がない。そんなことより、練習だ。

フォーレ「ドリー」arcoの場所

組曲「ドリー」管弦楽版のチェロパート譜の誤植に悩む2024/11/26 22:33:53

ドリーのarcoの場所

必要があって、フォーレ作曲、ラボー編曲の組曲「ドリー」管弦楽版を見ている。第6曲の「スペインの踊り」で、チェロパート譜の最後のページを見てみると、pizz. がずっと指示されていて arco になっていないのに、練習記号7でダウンボウの指定がある。これはおかしい。スコアを見たらわかるだろう、と思ったら、IMSLP のスコアでも arco の指定が落ちている。

一つの可能性は、練習記号6からはずっとpiz.. でひっぱって、7 でarco になるというもの、もう一つの可能性は練習記号 6 から 8 小節は pizz で、次の ff からarco になるというものだ。後者の可能性が高いと私は思う。というのは本曲冒頭の音形では練習記号1からarcoになっていて、これが練習記号6からの9小節めとほぼ同一だからだ。この最初のほうも少しおかしくて、練習記号1 で arco の指定があってその後 pizz. がないのに練習記号2で再度arcoの支持がある。

フォーレ「ドリー」arcoの場所

こうやって見比べると別の誤植も発見した。練習記号2の2小節前、2拍めはBだが全音上のCが正しい。 正しいスコアがほしい!

フォーレの宗教曲や合唱曲を聴く2024/11/18 22:49:45

少し前に買ったフォーレ全集のなかから宗教曲や合唱曲を聴いた。CD 18 の一部に当たる。中には、「La Passion」(ラ・パッション)など、未聴のものもあった。全集の Ave Maria Op.93 を聴いてみたら、最初にオルガンの伴奏が聞こえてきて、その後で、女性の合唱が始まった。そのまま終わりまで聴いたが、違和感があった。というのも、私が最初に聴いたのはライブで、そのときはピアノ伴奏に女声の二重唱(デュエット)だったからだ。好きになった演奏形態とは異なるというだけで違和感が残るのもおかしいとは思うが、理屈ではないのだろう。楽譜は昔のブログにある。

フォーレの「アポロへの賛歌」を聴く2024/11/14 23:12:07

少し前に買ったフォーレ全集のなかから「アポロへの賛歌」(Hymne à Apollon)を聴いた。以前 YouTube で聴いたことはあったが、こうして CD で聴くのは初めてだ。よちよち歩きの旋律におずおずと和声を付けたかのような趣がある。この後フォーレは「ペネロペ」というギリシャの物語を題材にとってオペラを書くことになるので、その練習だろうか。5/4拍子が珍しいが、古代ギリシャではこれが普通だったのだろうか。ついでにいえば、私が聴いたこの曲は歌がミラシドで始まっているで楽譜もそうしているが、IMSLP の別の版ではミラシドではない別の節が始まっている(5/4拍子は変わりない)。何があったのだろうか。

なお、この歌は編曲されて、Benjamin Bernheim というテナー歌手によって 2024 年パリオリンピックの閉会式で歌われたという。

フォーレの「プロメテ」を聴く2024/11/12 23:25:24

きのう買ったフォーレの全集から「プロメテ」を聴いた。不覚にも、途中うつらうつらしてしまったところがあったのでもう一度聴きなおすつもりだ。簡素で力強い音楽だが、そんななかにもフォーレ一流の和声の術が見られる。また、「ペネロペ」の音楽もわずかに聞こえてくる。