フォーレの「即興(アンプロヴィザシオン)嬰ハ短調Op.84-5」を聴く ― 2026/06/01 22:42:24
フォーレの「即興(アンプロヴィザシオン)嬰ハ短調Op.84-5」を聴いた。フォーレのピアノ曲を初めて弾くことを考えたとき、適切な作品が思ったよりないような気がする。もちろん、「夢のあとに」とか「シシリエンヌ」など、なじみやすい曲を弾いていいのだが、残念なことにオリジナル作品ではない。比較的容易なのは「言葉のないロマンス」の3曲だが、それでも第3曲などでは終わりの1/3あたりがなかなか難しい。そうなると、小品集 Op.84 に含まれている全8曲が候補になるのは当然だろう。そのなかで、この嬰ハ短調の曲は、シャンソンのようにしゃれていて、それほど技術的にも難しくないので、フォーレを最初に弾くピアノ作品としてはお勧めできる。前奏曲集 Op.103 にも短く、いい作品がそろっているが、思いのほか渋いので、敬遠する人が多いかもしれない。
フォーレの即興曲第5番を弾いてみる ― 2026/05/29 19:19:03
久しぶりにフォーレの即興曲第5番嬰ヘ短調 Op.102 を弾いてみた。もちろん弾けないのだが、この曲はつくづく、フォーレのピアノ独奏曲としての特異点みたいな存在だとつくづく思う。
この作品については興味深いことに、ウラジーミル・ホロヴィッツが演奏を遺している。ホロヴィッツが残しているフォーレの作品は、この即興曲第5番の他は、夜想曲(ノクターン)第13番しか、私は知らない。
なお、この即興曲第5番は、フォーレの「8つの小品Op.84」の第5曲めの「即興(アンプロヴィザシオン)嬰ハ短調」とよく混同される。こちらの嬰ハ短調の作品はしみじみとした、いかにもフォーレらしい作品なので対照的だ。検索される際は注意してほしい。
調性による曲の性格を考える ― 2026/05/04 23:59:59
テレビの電源を入れると、あるピアニストが出ていた。そのピアニストがによれば、ある曲の調性と、その曲の性格とは大いに関係があるのだそうだ。このような主張を聞くと、「少しは関係があるかもしれないけれど、大いに関係があるとはいえないのではないか」と疑ってかかることにしている。
調性で思い出すのは、嬰ヘ短調という調性である。この調性で書かれた曲は、属調である嬰ハ短調より、また下属調であるロ短調より、有名な曲がぐっと減るような気がする。私がすぐに思い出せる嬰ヘ短調の曲は有名どころではフォーレの「パヴァーヌ」だけで、あとはスカルラッティのソナタのいくつか、そして一般的には知られていない某氏の某曲だけだった。そこで Wikipedia の「嬰ヘ短調」の日本語ページを見て、あと数曲はそういえば知っていたな、という水準だった私は恥ずかしい。
フォーレの「シシリエンヌ」を聴く ― 2026/04/22 23:19:13
フォーレの「シシリエンヌ」については、何度もブログで記事にしている。そのうちの1つを書いてそれほど日数が経っていないが、また書くことにした。
つい最近、YouTube でフルートソロとハープ、弦楽合奏という編成でのシシリエンヌを聴いた。組曲「ペレアスとメリザンド」で使われたオーケストラほどではないが、広がりがあり、独奏フルート以外の管楽器がないためメロディーも浮き立つ感じがして、このような編成があるのものだと感心した。
フォーレマラソンを振り返る ― 2026/03/02 22:50:07
フォーレマラソンに行ってきたのは昨日だった。あっという間に一日がたったが、まだ余韻が残っている。いろいろな演奏家を耳にすることができて、まさに至福だった。あと1週間ぐらいは余韻を浸っていたい。
フォーレマラソンに行く ― 2026/03/01 23:19:28
きょうは横浜みなとみらいホール 大ホールで行われた「国際音楽祭NIPPON2026 フォーレ室内楽全曲マラソンコンサート」(以下「フォーレマラソン」)に行き、フォーレの室内楽をたっぷり聴いてきた。以下はどうでもいいことである。
フォーレマラソンは第1部から第4部まで計4部からなり、第1部の開演は11:00だ。私の住居は埼玉県にあり、かなり前に出なければいけないことはわかっていた。しかし、何時に出たらよいものやら今朝迷っていたら、身近にいる人から「行くならさっさと行け」と叱られたので8:00前に家を出なければならなかった。ただこれが功を奏して、時間はかかったが、家から会場まで、一番安い経路で行けた。ちなみにこの経路では、会場までは横浜駅から徒歩でいくことになる。帰りはさすがに時間がかかりすぎるので会場から桜木町駅まで歩いて京浜東北線に乗った。
昼飯は下調べしていたインド料理店に行き、食べ放題のランチで腹を満たした。隣に座った人も、フォーレマラソンの客であることがわかったが、当然というべきか、食べ放題のランチではなかった。
会場には山高帽をかぶった人がいた。フォーレではないはずだ。
第1部と第2部の休憩時間に、ロビーコンサートがホール2階のロビーで行われた。立ち見客がぎっしりいた。演奏空間から少し離れたところに階段があり、その段差に立って聴こうとする客に対し係員が「通行の邪魔になるのでステップでは立たないでください」と何度もお願いしていた。たいていは客は移動していたが、ある客は注意されて「だって人が多すぎるでしょう!」と叫んで係員に向って切れていた。フォーレのコンサートに来る客であっても、困った客がいるものだ。私は、階段のステップではなく、踊り場に立って聴いていたが、幸い係員からの注意はなかった。
診療所の待合室でフォーレのシシリエンヌが聞こえてくる ― 2026/02/26 11:50:33
私には、残念ながら定期的に行かないといけない診療所がある。あるときその診療所で待っていると、かすかにどこかで聞いたことがある音楽が聞こえてきた。耳を澄ますと、フォーレの「ペレアスとメリザンド」の「シシリエンヌ」であることがわかった。チェロ版でもフルート版でもなく、オーケストラ版だった。この診療所は前にも待合室でフォーレのトリオ(三重奏曲)やクインテット(五重奏曲)第1番を流すなど、なかなか怪しい。一度この診療所の医師に尋ねてみようかとしたことはあるが、もともと診療所には病気を治すために出かけているので雑談をしに出かけているのではないので、おそらくこの診療所にかかるのを辞めるまで話にはださないだろう。
このブログでもシシリエンヌ(シチリアーノ)については何度も話題にしている。
今回は、転調した箇所を楽譜にしてみた。
フォーレの「身代金」がミラシドで始まることを発見する ― 2025/11/29 09:40:42
きのうテレビを見ていたら、ランサムウェアについて報道していた。ランサムは身代金の意味だという。そういえば、フォーレに「身代金」という歌があったはずだ。確かにあって、ボードレールの詩につけた歌で、 La rançon という表題だ。そうか、フランス語ではこういうのかと一つ勉強になった。なお、このLa rançonは「身代金」と訳されるが、「償い」という訳もある。さて、改めてこの歌の楽譜を見てみると、ミラシドで始まっている。もう一つ勉強になった。
西岡沙樹のフォーレピアノソロ作品全集第1巻を聴く ― 2025/11/26 19:35:29
しばらく前に、西岡沙樹による「ガブリエル・フォーレ:ピアノソロ作品全集第1巻」を注文した。このCDが手元に届いたので早速きのう、家で聴いた。なかなかよい。細かなところは私の趣味とは違うが(当たり前だ)、追って何度も聴いていけば慣れると思う。
ちなみに、この第1巻には、ヴァルス=カプリス全4曲、無言歌全3曲、即興曲第1番~第5番、マズルカ、バラード(ピアノソロ版)、舟歌が収められている。即興曲第6番は第2巻に収録と書かれていた。
フォーレのピアノ五重奏曲第1番の演奏を聴きに行く ― 2025/11/24 21:06:09
チェロの達人である友人の K さんから、フォーレのピアノ五重奏曲を弾くので聴いてほしい、という誘いがあったのがおよそ半年前だった。その後、11/24 に演奏するということがお知らせがあり、期待に胸を膨らませて出かけることにした。演奏会場は、山手線の某駅から某私鉄で4駅あまりの場所にある。私は運動不足解消と運賃節約を兼ねて、山手線の某駅から演奏会場まで歩くことにした。山手線の駅からは会場まで歩いていくとして、途中でどこか昼食をとる時間も含めて2時間近くあれば十分だろうと思い、家を出た。
ところがもくろみは崩れ去った。自宅から電車を乗り継いでいくといろいろ乗り換えに時間がかかったりして、実際山手線の某駅についたのは開演の1時間半前で、しかも山手線を降りて道に迷って反対側を目指して歩こうとしたりして、まったくもって困ってしまった。ただ幸い、比較的駅間が短い路線だったことと、地図をしっかりもっていたこと、昼食を速く食ったこと、これらの幸運が重なって、開演の15分前には会場に着くことができた。
会場の中に入るとほどなく K さんがいたので、少しだけ話をした。私は、「自分はもう仕事をしていないから、自分が所属している団体に練習に出かけることをしなくなったら、本当に引きこもりになってしまいます」と自嘲気味に話すと、K さんは「おっ、弾きこもりですか」と返して来た。本番前で緊張しているかと思いきや、さすがである。
申し遅れたが、この演奏会は、ピアニストの F さんが(1曲を除いて)と登場する演奏会で、ソプラノ独唱や、ヴァイオリンソナタ、弦楽四重奏曲、ピアノソロ、クラリネットソナタなどが演奏された。フォーレの五重奏曲はトリである。K さんと、F さんや他の演奏者との関係は特には尋ねなかったが、きっといろいろなご縁があってのことなのだろう。ちなみに、ピアノ五重奏曲を弾くセカンドヴァイオリンの方は、この演奏会の最初でソプラノの歌手として登場した方だった。二刀流か!そしてフォーレの曲についての演奏前の紹介はK さんからだった。はにかみながら話す姿がいい。
期待していたフォーレの五重奏曲はすばらしかった。みな熱がこもった演奏だった。どの楽章も好きだが、私が特に好きなのは第2楽章の中間部で、5人の演奏もうまく雰囲気を出していた。帰りは K さん夫妻にご挨拶をして家路に着いた。これからはもっとフォーレの室内楽を聴くことにしよう。
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