下手なチェロ弾きのまま30数年が経過している2020/07/12 23:00:00

なぜ私がチェロのソロを弾こうとしないかというと、下手というのが理由である。

あるとき、弦楽合奏団で、おまえはもう長い間チェロを弾いているのにうまくならないな、とある団員から面と向かって言われたことがある。集団で弾いているからばれない、と思っていたが、耳の良い団員にはわかっているのだった。言われた私は返すことばもなかったし、また奮起して練習するということもなかった。

また、その合奏団とは別の音楽の集まりがあり、やはりチェロを弾いているXさんという方がいて、私と組んでチェロのデュオを披露した。これを聴いていた方が、Xさんのほうがうまいな、と感想を漏らしたのだった。事実その通りなのである。

これらとは別の集まりでチェロを弾く室内楽も1回だけ機会があった。モーツァルトのクラリネットと弦のための五重奏曲の第四楽章だったのだけれど、私だけがいろいろと問題を指摘されて練習をしなければいけないのだった。かくしてデュエット恐怖症および室内楽恐怖症になっていた。ソロは披露していないが恐怖症になるのは自明の理だ。

ということだから、ソロの曲を練習しようとする気が起きない。しかし、自分だけで楽しむ分にはソロの曲もいいのではないかと少しずつ思うようになってきた。なんといっても、この曲を弾きたいと思えば、練習のしがいが出てくる。そんなソロの曲を探している。