ベートーヴェンの交響曲第7番を練習する2020/02/22 19:21

ベートーヴェンの交響曲第7番のチェロを練習している。第1楽章はターータターまたはターッタターのリズムが頻出することで知られているが、私はパート譜やスコアを見るまでは、2拍め(あるいは5拍め)の裏に休符があるパターンとないパターンの両方があることに気づかなかった。チェロだけでは区別がつきにくいので、一例として第1楽章の222小節からの弦を掲げる。ヴィオラに両方のパターンが出てきている。このあとは第2ヴァイオリンでも出てくる。さて、なぜベートーヴェンは両者を区別したのだろう。

越谷市民交響楽団第36回定期演奏会を聴きに行く2019/06/08 21:39

越谷市民交響楽団第36回定期演奏会を聴きに行った。曲目は次の通り。

  • シューベルト:「ロザムンデ」序曲
  • ブラームス:ヴァイオリンとチェロのための二重協奏曲イ短調 Op.102
  • ベートーヴェン:交響曲第2番ニ長調 Op.36

ロザムンデは間奏曲第3番しか知らなかった(この間奏曲をこの演奏会のアンコールで聞くことになるとはその時は思わなかった)。 序曲はしっかりした曲だけれど、今一つ緊張感に欠ける気がしたのはなぜだろう。演奏も管の響きはよく聞こえたが(2階席だったからかもしれない)、シューベルト的転調でシャープかフラットが増えたときに弦の音程が今一つだったのは残念だった。

ブラームスの二重協奏曲を聞くのは久しぶりである(どこかで最近聞いていたらごめんなさい)。久しぶりというのは、かなり前、学習院大学の中にあるホールで、学習院大学のOBオーケストラが徳永兄弟を招いて聞いた演奏が忘れられないからだ。といっても、単に徳永兄弟が有名であったからという理由だけで覚えているからかもしれない。

どうでもいいけれど、知人に聞いたら、ロックの世界で兄弟とも有名な例では弟のほうが兄より優れていることがほとんどなのだという。クラシックはどうかと聞かれ、私はクラシックの兄弟を知らないので無知を露呈してしまった。私がそのとき思い出せたクラシックの兄弟はコンタルスキー兄弟(ピアノ)とアサド兄弟(ギター)だけであり、この二組はどっちもデュオで活躍しているから優劣はないんじゃないかな、と答えたが、本当だろうか。

さて、急に思い出した徳永兄弟だが、どちらが優れているかといわれるとちょっと困る。それに、兄貴の兼一郎氏は早世したからだ。なんと、私は今、兼一郎氏より長生きをしている。それだけのことをしただろうか。

そんなことを思い出しながら昔の思い出にふけっていると、ブラームスの音楽が聞こえてくるのだった。ブラームスの音楽は、私にとっては体のコリに聞くツボを心得たマッサージ氏のようだ。ここをこう突けば、効くでしょう、といわんばかりの巧妙さなのだ。だからブラームスの音楽は「聞く」というよりは「効く」。この二重協奏曲、またの名の(ブラームスの)ドッペルは、非常に効いたのだった。ええと、ちなみに、独奏者2名のみによるアンコールがあった。曲はブラームスのハンガリア舞曲第1番ト短調。2台でよくやるなあ。

休憩をはさんでベートーヴェンの交響曲第2番は、生で聞くのは初めてのような気がする(これも以前に聞いたことがあったら、演奏してくださった方々にはごめんなさい)。わたしの敬愛する師匠 Y 氏は、この第2番の冒頭のテンションの低さについて、チューニングでもしているのか、と文句を呈している。私がこのときの実演を聞いた限りはそれほどテンションが低いとは思わなかったが、どうにも無名曲が持つ無名の理由がわかるような気がした。それが一変したのは第4楽章だった。いきなり、ドミナントで始まるチャーミングなユニゾン。これは、しっかり覚えていた。ただ、ベートーヴェンだとは思わなかった。ニ長調の交響曲の傑作を書いたモーツァルト(ハフナーとか、プラハとか)に聞こえてきた。自分の音楽体験がますますもって錯乱してきた。

なお、アンコールは前述の通り、シューベルトのロザムンデ間奏曲第3番。

越谷市民交響楽団 2016 しらこばと音楽祭2016/11/27 17:00

標記の演奏会に行ってきた。場所は越谷サンシティホール大ホール、14:00 開演であった。
プログラムは下記の通り。
ルロイ・アンダーソン そりすべり、シンコペイテッド・クロック、タイプライター、舞踏会の美女
ジョージ・ガーシュウィン:ラプソディ・イン・ブルー
(休憩)
ルートヴィヒ・ヴァン・ベートーヴェン:交響曲第5番ハ短調作品67「運命」

どれも楽しみな曲である。アンダーソンは作曲家の中でプロ中のプロだと思っている。客を喜ばせるツボを心得ているからだ。ガーシュウィンはクラシックという分野を破った功労者だ。そしてベートーヴェンは、そのクラシックの金字塔である。

そりすべりはなぜかクリスマスによく町中で聞こえてくる。そり→雪→サンタクロース→クリスマスという連想だろうか。それはともかく、打楽器群が楽しそうだ。鈴担当と鞭担当がはっきり見えた。あとはシロフォン(木琴)と鉄琴(グロッケンシュピール)もいたかな。ちなみに鞭は本物の鞭ではなくスラップ・スティックである。

シンコペイテッド・クロックはアンダーソンの代表作だ。なぜ断言するのか。それは、シンコペーションという、リズムのずれを最大限に活用したのがアンダーソンだと思うからだ。曲そのものは端正で、この曲そのものにシンコペーションはほとんど出てこない。ウッドブロックつきハイドン交響曲といった趣がある。

タイプライターはひところ、運動会のときによくかかっていた記憶がある(ひょっとしてトランペット吹きの休日と勘違いしているかもしれない)。今回の演奏では、3人の打楽器奏者が独奏者として指揮者の左、前列に登場していた。担当はそれぞれギロ、呼び鈴、そしてタイプライターであった。本当にこの曲も楽しい。

そして舞踏会の美女。私がいた弦楽合奏団でもよく弾いて、演奏効果が高い曲である。こうして私の幸福な時間が終わった。

ラプソディー・イン・ブルーは、なかなか生演奏で聴く機会がなかった。実をいうとあまりにも機会がないもので自分が所属するオーケストラで演奏会の曲目として提案してみたが、却下された。それはともかく、生演奏はいいものだ。私が聴いていた版と違うような気がしたが、そういうものなのだろう。

休憩後の運命は、脂が乗ったものだった。今年の初め、自分が所属するオーケストラで運命を担当して、死ぬほど苦労したのに、もうそんなことを忘れていた。

今まで演奏のことに触れずにいたのは、アマチュアのオーケストラなのであれやこれや言うのはよろしくないだろうと思ったからだ。それでもちょっとだけ記すとこんなことがあった。

運命は、ダダダダーン、のあと大太鼓の音が聞こえた。たしかに前半で使った大太鼓はあったがもちろん誰もいない。不思議に思っていたら少しして謎が解けた。大太鼓の音ではなく、指揮者が指揮台の上で片足を上げたあと下したときに出てくる音だった。卓球の試合を見ていると、選手がスマッシュするときに片足を強く踏み込むが、その結果床板を打ち付けるので大きな音が出るのがわかる。私が聞いたのは指揮者によるスマッシュの音だった。その後何回も指揮者のスマッシュ打音が聞こえてきた。

アンコールは、ルロイ・アンダーソンのクリスマス・フェスティバルであった。次の8曲のメドレーである。

1.もろびとこぞりて 
2.ひいらぎを飾ろう 
3.世の人忘るな
4.良きウェンセスラス王 
5.天(あめ)には栄え
6.神の御子は今宵しも
7.きよしこの夜 
8.ジングル・ベル

日墺親善リサイタル2016/11/08 23:47

クリストフ・コンツ(ヴァイオリン)とアンナ・マグダレーナ・コーキッツ(ピアノ)のリサイタルに行った。
2016.11.8 (火曜日)
18:30 開場、19:00 開演
日暮里サニーホール
プログラムは
ブラームス :F.A.Eソナタ
ベートーヴェン:ヴァイオリンソナタ第8番ト長調
(休憩)
フランク:ヴァイオリンソナタ

コンツさんは自由で幅のある表現だった。コーキッツさんも対等な立場で音楽を出していた。よい演奏会だった。
ヴァイオリンソナタの8番は初めて聞いた。この軽さがいい。感情楽章では、ピアノソナタ第32番の第1楽章の先取りが聞こえてきたようだった。

アンコールはワーグナーのヴェーゼンドンク歌曲集(のヴァイオリン編曲)だった。これは渋い。

ベートーヴェン:チェロソナタ第5番ハ長調2016/09/11 20:47

ベートーヴェンのチェロソナタは第3番しか聞いてこなかった。今、第5番を聴いていて、もっと前から聞いておくのだったと後悔している。
最終楽章はシューベルトの軍隊行進曲を思わせるリズミカルなロンドで、ベートーヴェンの後期作品の中にも親しみやすいものがあることがわかった。

ベートーヴェン:チェロソナタ第3番イ長調2016/08/16 10:59

チェロソナタでもっとも有名な作品だろう。素晴らしい曲である。どこがすばらしいかというと、楽章のどの部分も快速だからだ。正確に言えば、第3楽章の冒頭はゆっくりとしているが、これは序奏だから、いわゆる緩徐楽章がない。

どうも私はベートーヴェンの緩徐楽章が苦手である。交響曲はいいのだが、ピアノソナタはあきてしまう。ピアノは打鍵後すぐに減衰するから、音の持続が難しいからだろう。

久しぶりのこのソナタを、ピエール・フルニエのチェロとフリードリッヒ・グルダのピアノで聞いた(1959年録音)。古いという印象はないが、フルニエのチェロの高音が少し不安定な個所がある。これが残念だ。音色は非常に美しい。

ベートーヴェン交響曲第5番Op.67 (2) クラリネット2016/01/28 23:51

ベートーヴェン交響曲第5番ハ短調Op.67、いわゆる「運命」は、ジャジャジャジャーン、で始まる。このとき、演奏している楽器は何か。弦五部(第1ヴァイオリン、第2ヴァイオリン、ヴィオラ、チェロ、コントラバス)がユニゾンで演奏しているが、実はもう一種類だけ参加している。それがクラリネットである。なぜ他の管楽器がないなか、クラリネットだけが弦と一緒にそうしているのか。

岩城宏之は山本直純に「この謎が解けるか」と言われたことがあるらしい。

ベートーヴェン交響曲第5番Op.67 (1) テンポ2016/01/23 19:27

ベートーヴェンの交響曲第5番を考える。
今までは聴くだけだったのだが、今年は管弦楽団の一員としてチェロを弾く機会があったので、その体験を合わせて考えていく。

指揮者からは次のように言われている。
この4楽章とも、テンポはほとんど同じである。
正確に言えば、次の通りなのだそうだ。

第1楽章(四分の二拍子)2拍分=
第2楽章(八分の三拍子)1拍分=
第3楽章(四分の三拍子)3拍分=
第4楽章(四分の四拍子)2拍分