ハイドンの「ひばり」を聴く2020/08/14 23:00:00

ハイドン「ひばり」第1楽章より第31小節
ハイドンの弦楽四重奏曲「ひばり」を聴いた。ひょっとして私が生演奏で聞いた、最初の四重奏曲かもしれない。高校の何かの時間で、弦楽四重奏団がやってきたのだ。有名な曲をいろいろやったのだろうが、私が覚えているのは「ひばり」の第4楽章だった。あの速い楽章をどうやって弾くのだろうか、エアチェックでは何度も聴いている曲を、この団体はかなり速いテンポでさばいて見せた。わたしは、スピードを出しすぎる乗用車の助手席にいる気分で(当時はシートベルトなどしていない)、頼むから事故にあわないでくれよ、とお願いしながら聴いていた。幸い大事故はなく、最後に全楽器が音階を引いて大団円となった。

それがトラウマなのか、私はこの曲の終楽章があまり速いと落ち着かないので困ってしまう。適度なテンポはどれぐらいかがわからないが、今回某所で手に入れたCDの「ひばり」の演奏は、やはり私の感覚からは速かった。私の生活の速度がのろくなったから、何もかもが速く感じるのだろうか。

弦楽四重奏曲のなかで「ひばり」は易しいほうなのだろうが、聴いているといくつもの落とし穴がある。譜面はその第1楽章 Allegro Moderato (、ニ長調、2/2 拍子 )の31小節から45小節である。私はいつもここを聴くと拍子感を失う。35 小節の第2ヴァイオリンの E からすべての音が、1拍めも2拍めも、その半拍前からのアウフタクトになっているからだ。知人のチェロの達者なやつに尋ねると、素人同士が合わせるときはいつもここで混乱するそうだ。これを聞いて、なぜか私は安心した。

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