移動ドに手こずる2020/08/21 23:00:00

図書館でフランソワ・デュボアの「作曲の科学」というブルーバックスを借りてきた。索引を見ると、スカルラッティはないがフォーレはあったので該当ページをめくってみた。するとエオリア旋法=ラのモードの代表曲の紹介があり、その中にフォーレの「月の光」が取り上げられていた。p.176 から引用すると次のとおりである。

(エオリア旋法の代表曲を取り上げ「暗い雰囲気になってきた」 と述べたあとで)その暗さを上手に生かしたのが、 フォーレの「月の光」です。 ラのモードを使うことで、 月光の淡さとほのかに物憂げな雰囲気を作り出しています。

そこで、「月の光」を移動ドで歌おうとしたら歌えないのだ。原調で中声用の変ロ短調や、高声用のハ短調なら固定ドで歌えて譜面も浮かんでくるのに、移動ドで歌おうとしたら全くできなかった。移動ドで歌うことはは私にとってはイ短調に移調するのと同じことなのだが、その移調ができなかった。3分間苦闘してやっとイ短調の「ドーレーミーシードシラーラーーーシラソーラーーー」が頭の中で固定され、確かにエオリア旋法=自然短音階であることが認識できた。

かといって私に絶対音感があるかというとこれもない。誤差は大体プラスマイナス長二度である。こういう中途半端な音感覚がいちばん困る。