借りてきた本にナポリの六度の記述を見つける2020/08/11 23:00:00

図書館から借りていた「音楽の科学」という本に、ナポリの和音の記述があった。pp.565-566にあるその記述は和声進行に関するものだ(この本の役は和音進行とあるが私は和声進行という用語のほうが適切だと思うので以下はそれで通す)。通常の和声進行とナポリの六度を含む和声進行とを比較したとある。その本の内容の結果とそれを読んでみての感想はどこかで書きたいと思う。

ただ読んで気になったことがある。和声進行におけるナポリの六度はサブドミナントの代用だから、和声進行の最後にナポリの六度を使うというのは私はおかしいと感じたのだった。

しかし、少し調べておかしくはないかもしれないと思いなおした。というのは偽終止の有名な例として、バッハのパッサカリアとフーガ BWV 582 のフーガ終結部の直前の偽終止があり、ここでの終止和声はなんとナポリの六度である。ということは、和声進行の末尾に現れても不思議はないということである。