ラヴェルの弦楽四重奏曲を思い出す2020/08/07 21:13:54

ある団体が弾くプロコフィエフの弦楽四重奏曲を YouTube で聞いてみた。ちょっと音程が甘いので聞きとおすことができなかった。弦楽四重奏団の場合、音程を固定する楽器が含まれていないため、ある奏者の音程が甘ければ弦楽四重奏曲全体の音程が甘く聞こえ、聞くに堪えなくなる。

かなり昔のことだが、ある場所でアマチュア3団体の室内楽を聞いたことがある。ピアノが入った楽器編成の2団体の演奏はすばらしかったが、ピアノのない、弦楽四重奏団の演奏が冴えなかった。曲目はラヴェルの弦楽四重奏曲だった。曲そのものが難しかったことが主なのだろうが、演奏者の、特に第一ヴァイオリンの音程が甘かったという記憶がある。もっとも、楽器が入った2団体は、それぞれフォーレの四重奏曲第1番ハ短調 Op.15 と五重奏曲第1番ニ短調 Op.89 という、わたしの好きな曲を演奏したので、ひいき目があることは承知してほしい。

その後、この曲の生演奏を聞いた記憶がない。ひょっとしたら聞いているのかもしれないが、そのときの冴えない演奏が強烈すぎて、後の冴えた演奏が思い出せないのかもしれない。

音程が甘いと聞くに堪えなくなる。これは、どんな楽器でも、歌でも、西洋音楽であればそうだと思う。ではブルーノートの持ち味を生かした曲では音程が甘くていいのではないかと考えてみた。しかし、そのような曲でも、ブルーノートの音程というのがあるはずで、単なる甘い音程ではその曲の持ち味を殺すことになるだろう。うーん、どういえばいいのか、わからなくなってしまった。