越谷市民交響楽団第36回定期演奏会を聴きに行く2019/06/08 21:39:59

越谷市民交響楽団第36回定期演奏会を聴きに行った。曲目は次の通り。

  • シューベルト:「ロザムンデ」序曲
  • ブラームス:ヴァイオリンとチェロのための二重協奏曲イ短調 Op.102
  • ベートーヴェン:交響曲第2番ニ長調 Op.36

ロザムンデは間奏曲第3番しか知らなかった(この間奏曲をこの演奏会のアンコールで聞くことになるとはその時は思わなかった)。 序曲はしっかりした曲だけれど、今一つ緊張感に欠ける気がしたのはなぜだろう。演奏も管の響きはよく聞こえたが(2階席だったからかもしれない)、シューベルト的転調でシャープかフラットが増えたときに弦の音程が今一つだったのは残念だった。

ブラームスの二重協奏曲を聞くのは久しぶりである(どこかで最近聞いていたらごめんなさい)。久しぶりというのは、かなり前、学習院大学の中にあるホールで、学習院大学のOBオーケストラが徳永兄弟を招いて聞いた演奏が忘れられないからだ。といっても、単に徳永兄弟が有名であったからという理由だけで覚えているからかもしれない。

どうでもいいけれど、知人に聞いたら、ロックの世界で兄弟とも有名な例では弟のほうが兄より優れていることがほとんどなのだという。クラシックはどうかと聞かれ、私はクラシックの兄弟を知らないので無知を露呈してしまった。私がそのとき思い出せたクラシックの兄弟はコンタルスキー兄弟(ピアノ)とアサド兄弟(ギター)だけであり、この二組はどっちもデュオで活躍しているから優劣はないんじゃないかな、と答えたが、本当だろうか。

さて、急に思い出した徳永兄弟だが、どちらが優れているかといわれるとちょっと困る。それに、兄貴の兼一郎氏は早世したからだ。なんと、私は今、兼一郎氏より長生きをしている。それだけのことをしただろうか。

そんなことを思い出しながら昔の思い出にふけっていると、ブラームスの音楽が聞こえてくるのだった。ブラームスの音楽は、私にとっては体のコリに聞くツボを心得たマッサージ氏のようだ。ここをこう突けば、効くでしょう、といわんばかりの巧妙さなのだ。だからブラームスの音楽は「聞く」というよりは「効く」。この二重協奏曲、またの名の(ブラームスの)ドッペルは、非常に効いたのだった。ええと、ちなみに、独奏者2名のみによるアンコールがあった。曲はブラームスのハンガリア舞曲第1番ト短調。2台でよくやるなあ。

休憩をはさんでベートーヴェンの交響曲第2番は、生で聞くのは初めてのような気がする(これも以前に聞いたことがあったら、演奏してくださった方々にはごめんなさい)。わたしの敬愛する師匠 Y 氏は、この第2番の冒頭のテンションの低さについて、チューニングでもしているのか、と文句を呈している。私がこのときの実演を聞いた限りはそれほどテンションが低いとは思わなかったが、どうにも無名曲が持つ無名の理由がわかるような気がした。それが一変したのは第4楽章だった。いきなり、ドミナントで始まるチャーミングなユニゾン。これは、しっかり覚えていた。ただ、ベートーヴェンだとは思わなかった。ニ長調の交響曲の傑作を書いたモーツァルト(ハフナーとか、プラハとか)に聞こえてきた。自分の音楽体験がますますもって錯乱してきた。

なお、アンコールは前述の通り、シューベルトのロザムンデ間奏曲第3番。

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