チェロの体系を翻訳した感想を記す(6) ― 2020/08/02 21:17:29
チェロの体系を翻訳した感想を記す。
ポピュラー曲
ポピュラー曲の曲はあまりにも少ない。これは、近現代の曲で難易度をつけるのを面倒に思った編集者が、あわてて作った項目ではないだろうか。ピアソラの「ラ・グラン・タンゴ」のみが太字となっているのは妥当だとは思うが、すべて難易度をつけて小品か曲集のほうに割り当てるのが本来のあり方だと思う。
選集
選集は難易度が付与されている。スズキ・メソードは体系立てられているからこちらに来るのは当然だろうが、よくわからないのは本来小品のほうに収録すべきであろう曲集もこちらに来ていることだ。わたしの考えでは、同一の作曲家が作った楽譜であれば小品のほうに、複数の作曲家の作品を選んだ楽譜であれば選集のほうに、それぞれ収録すべきだろう。だから、選集にあるバルトークやネルクの作品は、小品集に回してもよいのではないかと思った次第だ。
ふと、日本のチェロ楽譜状況を考えてみると、クラシックに限定した名曲選集として国内で発売されているものは、スズキ・メソードを除くと10冊以下ではないかと思った。私はそのどれも持っていないのでお恥ずかしい話なのだが、クラシック限定名曲集が少ないのは、チェロを弾いている人はオーケストラに参加することだけの人が大部分なのではないか。言い換えればピアノを弾く人との二重奏を楽しんでいるチェロ弾きはほとんどいないのではないか。私自身はどうかというと、チェロ弾きからピアノ伴奏のお願いをされることは何度もあった。しかし、チェロ弾きの私がピアノ弾きに伴奏をお願いします、と申し込むことは30年以上前からずっとなかった。これは私のチェロが下手だからということのほか、私の付き合いが非常に限られていることもある。
以上をもって、チェロの体系の感想はきょうで終わりとする。ただし、過去に訳したもののやり残しを継続して翻訳する作業や語訳を修正する作業などは今後も行う。
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