同音異義語を考える2021/05/11 22:28:10

このごろよく聞く同音異義語がある。

  • 陽性/要請
  • 軽症/警鐘
  • 感染/観戦

また同音の類似語があり、これは話題になっている。

  • 終息/収束

きっとまだあるに違いない。

obsolete と deprecated の違いを調べる2021/04/16 23:00:00

コンピュータの解説文書を見ると、よく obsolete や deprecated という形容詞が出てくる。「非推奨の」や「廃止予定の」などと訳してあることがあるが、さて、どっちがどっちなのだろう。それ以前に、obsolete と deprecated の違いは何だろうか。

この2つの違いを調べていたが、よくわからないままだった。そんなとき、自分が酔狂で訳していた文書に、その文書の文脈の中ではあるが、この2つの違いに関して次のように説明していたのを発見した。すっかり自分で忘れていた。

原文はhttp://abcnotation.com/wiki/abc:standard:v2.2#outdated_syntax にある。関係部分だけ、Google 翻訳した結果に少しだけ私が手を入れた結果を示す。なお、ここで abc ソフトウェアとは、abc 記譜法と呼ばれる楽譜の記譜法に従って楽譜を表示するソフトウェアをいう。

  • 非推奨の構文(deprecated syntax)とは、新しい構文によって古くなった規則または構文のことをいう。 非推奨の構文は、厳密な解釈の下でabcソフトウェアに準拠することによってサポートされる必要があるが、新しいトランスクリプションには推奨されない。 非推奨の構文は、abcの将来のバージョンで廃止される(obsolete)可能性がある。 非推奨の構文に遭遇した abc ソフトウェアを適合させるには、厳密な解釈を使用するモードの場合に警告を出す必要がある(ただし、警告をオフに切り替えるオプションがユーザーに提供される場合もありうる)。
  • 廃止予定の構文(obsolete syntax)とは、abcソフトウェアに準拠することによってサポートの保証を失う規則または構文のことをいう。 廃止予定の構文は、緩い解釈の下でサポートされる場合がありうるが、新しいトランスクリプションには使用してはならない。 廃止予定の構文に遭遇した abc ソフトウェアを適合させるには、厳密な解釈を使用するモードの場合に(致命的ではないことが望ましい)エラーメッセージを出すか、緩い解釈を使用する場合は警告を出す必要がある(ただし、ユーザーに警告をオフにするオプションが提供される場合もありうる)。

使ってはいけない度合でいえば、obsolete のほうが deprecated より高い、ということだろう。

嫌いなことばを思い出す2021/03/11 23:00:00

今日のこの日は東日本大震災からちょうど十年となる日だ。それとはまったく関係なく、私が嫌いなことばを思い出したので書くことにした。

まず、「目線」である。「目線」ということばを嫌っている人はいるが、私は「上から目線でものを言う」という使い方の「目線」は嫌ってはいない。むしろ、目線ということばは「上から目線」という言い回しのみであれば私は許容する。また、演劇用語での「目の向きや位置」という意味であれば問題にはしない。私が気にするのは、視線や立場という置きかえが許される場合の「目線」を、私は嫌う。

そして、「深堀」である。「しんくつ」とは読まずに「ふかぼり」と呼ぶのだろうが、どこかこなれていない感じがする。このことばは使われて20年ぐらいたつだろうか。なぜこなれていない感じがするか自分でも不思議に思っていたが、深く掘ることを何にたとえているのかがはっきりしないからだろう。とにかく穴のごとく、深く掘っていけばいい、といういんちきさが出てきているからかもしれない。深く考えるとか、深く追求するとかいえばいいのだろう。

あと、「真逆」である。「まぎゃく」というのもこなれていないことばだと思う。私は「正反対」という。多少音は増えるが、私はこちらを使う。あるページを見ると、真逆と正反対はニュアンスが違うというのだが、どのような違いなのだろうか。わたしにはわからない。

ことばは変わっているのだから、このような嫌いなことばが使われていることを容認すべきなのだろう。しかし、かつての同僚が言っていたように、「理解はするが納得はしない」。

偶然俳句に気づく2020/12/02 23:00:00

新聞を読むと、数日に1回は「5・7・5」の偶然俳句になっている見出しを見つけることがある。今回は新聞の見出しではない。あるコンピュータの本を読んでいたときに気づいた。時間を概算で見積もるために役に立つ換算式が記載されていたのだが、これが偶然俳句になっている。

「π秒は10億分の1世紀」

正確には、1年を 365 日とすると、1日が 86400 秒だから、1年は31,536,000 秒ということになる。これを覚えやすくすると上記のようになるわけだ。

これに限らず、いろいろな換算式を覚えていると概算を求めるとき役に立つ。このように概算を求めることには各種の名前がついていて、フェルミ推定とか封筒裏の計算などと呼ばれる。

名前を聞き間違える2020/06/03 22:31:29

テレビを見ていたら、スポーツ関係のコーナーで「岡本綾子」の名前が聞こえてきた。私はゴルフの興味はないが、岡本綾子というプロゴルファーがいることは知っている。岡本さんがどうしたのだろうかと思っていたら、これは聞き間違いだった。アナウンサーが発したのは「坂本隼人」だった。「おかもとあやこ」と「さかもとはやと」を聞き間違えるとは耄碌も極まれり、というところだろうか。ただ、母音はほとんど同じである。

OKAMOTO AYAKO
SAKAMOTO HAYATO

やっぱり、耄碌かな。

インターハイの意味を知る2020/04/26 23:00:00

2020 年度のインターハイ中止が決定された、という報道があった。インターハイということばはよく聞くが、ではインターハイとはどういう意味なのだろう。知らなかったので調べてみた。インターハイの正式名称は、全国高等学校総合体育大会で、インターハイはInter-High School Championships の略称であることがわかった。そうか、ハイは High School のハイなのか。わたしはてっきり、デビス杯とか、高松宮杯とか、そんなカップのことを表すのかと思っていた。

私は高校時代、インターハイとは無縁であった(甲子園のほうは、予選の応援に駆り出されたということだけであれば無縁とはいいがたい)。スポーツが若いころからできず、今でもできないことは負い目に感じるが、仕方がない。

基礎疾患を考える(3)2020/03/28 23:00:00

基礎のついでに、忘れられない話を残しておく。NHK のラジオ語学番組に「続基礎英語」という講座があった。もちろん、「基礎英語」の続きとして設けられた、程度の高い基礎英語、ということだ。私はけっこうこの「続基礎英語」を聞いていてテキストも買っていた。あるとき、テキストの投書欄にこんな記事が掲載された:

私は「続基礎英語」を、毎日「続」けるのが必要な基礎英語と思っていて、ずっと続けて聞いていました。ところがあるとき、講座名は「基礎英語」の「続」き、ということを聞いて愕然としました。しかし、今、続けることが必要、ということには変わりないと思っています。

このぼけ具合、なんともいいではないか。ちなみに、今、続基礎英語なく、基礎英語[0-3]などがある。

基礎疾患を考える2020/03/26 23:00:00

最近、「基礎疾患」ということばを聞くようになった。
厚生労働省の資料がある。

https://www.mhlw.go.jp/kinkyu/kenkou/influenza/dl/infu091028-02.pdf

これは新型インフルエンザワクチンの優先対象とする基礎疾患であるが、ともあれ、次に分類されるものが基礎疾患であるという。

1.慢性呼吸器疾患
2.慢性心疾患 (高血圧を除く)
3.慢性腎疾患
4.慢性肝疾患 (慢性肝炎を除く)
5.神経疾患・神経筋疾患
6.血液疾患
(鉄欠乏性貧血と、免疫抑制療法を受けていない特発性血小板減少性紫斑病・溶血性貧血を除く)
7.糖尿病
8.疾患や治療に伴う免疫抑制状態
8-1悪性腫瘍
8-2 関節リウマチ・膠原病
8-3 内分泌疾患(肥満含む)
8-4 消化器疾患
8-5 HIV感染症・その他の疾患や治療に伴う免疫抑制状態
9.小児科領域の慢性疾患

なお、9.の小児科領域の慢性疾患の列挙については割愛する。

「基礎疾患」という言葉は昔から、少なくとも上記資料ができた当時からあったわけだ。なぜ私が「基礎疾患」にこだわっているかというと、「基礎」ということばにはプラスのイメージがあって、「数学の基礎」とか「基礎英文法」とか、そういう表題の書物には絶大な信頼を寄せることができる、と思っていたからだ。そこへきて、疾患という負のイメージをもつものに基礎という正のイメージをもつものが合体したのだから、???となっていたのだ。さて、ここでいう「基礎」は英語ではなんというのだろうか。 basic だろうか? fundamental だろうか?私の期待はどちらも裏切られて underlying という形容詞が使われていた。ちなみに、疾患というのも disease だけかとおもったら underlying (medical) conditions などという言い方が頻出のようだ。

送り仮名を考える(3)2020/03/24 23:00:00

私が送り仮名で抱えている悩みに「おこなう」がある。通常は「行う」とかくのだが、これは「いく」と読む「行く」と紛らわしい。だから私はたいてい
「おこなう」を「行なう」と書く。こう書くのは少数派である。あるとき、ある本の著者が「行なう」と書いていたので、同志を得た気分になった。

送り仮名を考える(2)2020/03/23 23:00:00

その後、
http://fanblogs.jp/yoshiminelisa/archive/101/0
というページを見てみると、文化庁が国語施策として、内閣告示・内閣訓令によって送り仮名について決めていることがわかった。

https://www.bunka.go.jp/kokugo_nihongo/sisaku/joho/joho/kijun/naikaku/okurikana/index.html

がそのページである。ここの通則4を見ると、送り仮名のつけ方が決められていることがわかる。わたしが以前に挙げた例だと、

「話」は送り仮名をつけない。「答え」は「え」をつけるのが正しいが、「答」も許容する(ちなみに「問い」と「問」も同様)。「祭り」は「り」をつけるのが正しいが、「祭」も許容する。

ということである。