ポール・マッカートニーの「Arrow Through Me」を聴く2023/05/11 22:44:55

ポール・マッカートニーの「Arrow Through Me」(アロー・スロー・ミー)を聴いた。ちょっと聞いただけでは全体がつかみにくい。中間部で厚みのあるホーンが印象に残るが、歌はどんなものだっけ、という感じだ。それでも何度も聴くと、陰影のある節が少しずつなじんでくる。おまけに、サビがミラシドだ。楽譜にするのは難しい。

クープランの「恋のうぐいす」を聴く2023/05/12 22:34:24

昔、Dover から出ているクープランの2巻本のオルドル集の第2巻を見ていたら、冒頭に「恋のうぐいす」があるのを見つけた。「恋のうぐいす」(Le Rossignol en amour)は、クープランのクラブサンの中でも有名だから、今までにも聞いていたが、改めて見てみると「ソドレミ」で始まっていた。今までなぜ取り上げなかったのだろうか。たぶん、装飾音を入れるとソドレミではなくなってしまうから、と昔の自分は判断したのだろう。しかし、もう爺さんになった私は、装飾音などどうでもよくなった。装飾音を省いた譜面で出してみた。

クープランの「怯えたヒワ」を聴く2023/05/13 11:51:02

クープランの「恋のうぐいす」の次の曲は「怯えたヒワ」(La Linote éfarouchée)である。こちらもソドレミで始まり、しかも装飾音符がない。しかし、「恋のうぐいす」ほど有名ではない。それに、どこが「おびえたヒワ」なのだろう。クープランの曲の題名には、意味がわかりかねるものが多い。

クープランの「アマゾン」を聴く2023/05/14 16:47:25

クープランにはまだ「ソドレミ」の曲があった。第10オルドルの「アマゾン」(L'amazône)がそれである。この曲の題名も、アマゾン川と関係があるのかどうか、わからない。この曲の「ソドレミ」はカノンのように始まり、両手ともにソドレミである。実際の楽譜では右手左手ともに拍の最初にはモルデントがつくが、ここでは省略している。

西城秀樹の「若き獅子たち」を聴く2023/05/15 23:59:59

ソドレミが歌いだしではなく、サビに来る例も多い。ここでは、西城秀樹が歌った「若き獅子たち」を例に出そう。ここの「〽風よなぶるな/獅子のたてがみを」という「なぶる」の意味が取りにくい。なぶるは「嬲る」と書いて、もてあそぶ、いじる、愚弄する、などの意味がある。たてがみを風になびくさまは一見かっこよく見えるのだが、どうしてだろう。歌詞はこのあと「涙を飾れないときであれば」と続く。うーむ、意味がわかるようで、わからない。

西城秀樹の歌を聴く2023/05/16 23:09:21

今日、5月16日は、西城秀樹の命日である。今日放映された NHK の「うたコン」では、命日にちなんで西城秀樹の歌が何曲かいろいろな歌手によって歌われた。きのうブログに書いた「若き獅子たち」もあった。さて、西城秀樹の曲はたくさんあるから、今日歌われなかった歌も多い。では、どんな歌があったのか。あとでおいおい思い出してみる。

フォーレの「エレジー」を聴く(1)2023/05/17 23:57:29

きのう、チェロの稽古に行った。何か月もさらっていたバッハのヴィオラダガンバソナタ第3番の第3楽章だったが、やっと終了の許可が先生から下りた。次回からは何を練習するかという話になって、フォーレの小品集をやりたい、まずはシシリエンヌから、それからエレジーか、というように話したら、先生が「エレジーいいですね、エレジーやりましょう」とおっしゃった。内心は困ってしまった。シシリエンヌをやらずに、いきなりエレジーを初めていいのだろうか。親指ポジションを使わなければならない高い音があるのに大丈夫だろうか。そんなことを心配しながら、覚悟を決めた。そういうことで、今日は久しぶりにフォーレのエレジーを聴いた。フレデリック・ロデオンのチェロ、ジャンフィリップ・コラールのピアノである。細かなことは追って書いていこう。

フォーレの「エレジー」を聴く(2)2023/05/18 23:59:59

では、フォーレのエレジーを聴こう。ピアノによる1小節の導入に続いて、ハ短調のすっきりした4小節のメロディーをチェロが奏する。このメロディーをそのままチェロは繰り返す。ただ、全く同じ繰り返しではない。まず音量が変わる。最初は譜面にあるとおり f だが、繰り返しでは pp になる。そして、フレージングが変わる。最初は1拍ごとに弓を返していたが、繰り返しでは2拍単位での弓の返しに代わり、息が長くなる。さらに別の変化として、チェロは弾く弦を変える。f のときには EsDCDC までを A 線で弾くが、繰り返しの pp になると Es からすべてD線で弾く(という指示が校訂譜にある。)D線で弾く音はA線で弾く音より柔らかくなる。2度めの繰り返しのあと新しいメロディー要素が出てきて盛り上がるが盛り上がりが治まると3度目のメロディーが ppp でかすかに表れる。

フォーレの「エレジー」を聴く(3)2023/05/19 23:59:59

フォーレのエレジーの中間部は、ピアノのメロディーから始まる。その前からチェロが低音部を弾いているのだが、これはメロディーというにはメロディーらしくなく、かといって伴奏というには伴奏からはみ出しているような気がするし、ここをチェロとしてどのように弾くかは悩ましい。

フォーレの「エレジー」を聴く(4)2023/05/20 10:06:26

フォーレのエレジーは再現部で最高潮を迎える。冒頭のメロディーがチェロの高音で奏され、ピアノがうねるようなアルペジオで盛り上げる。