チェロソナタ・エディションを聴く(CD 24 コダーイ)2020/10/25 09:11:00

チェロソナタ・エディション(CD 24 コダーイ)を聴いた。本来ならもっと早く、聴いた順に紹介すべきだったが、いろいろあってこうなった。

この盤では、無伴奏ソナタ、ソナチネ、カプリッチョ、アダージョ、ソナタが収められている。無伴奏ソナタはもちろん、カプリッチョは無伴奏であり、これら以外はチェロとピアノの作品である。

無伴奏ソナタは、バッハ以来の無伴奏チェロの曲として高く評価されている。コダーイの無伴奏もはるか昔聴いたことがあるはずなのだがすっかり忘れてしまったので、初めて聴いたに等しい。聴き始めて、そして聴き終えて、世評にたがわず傑作と確信した。私に確信されてもコダーイは迷惑だろうが、それはいい。第2楽章など、美空ひばりが「〽りんーごのー はなーびらーがー」と今にも歌いだしそうなのだ。チェリストはメロディーを弾きながら、弓をこすっていない弦でピチカートの合いの手を入れる。この間合いが絶妙だ。

話題をそらすが、この 33 枚組には無伴奏の曲はこれしか入っていない。無伴奏チェロの曲としてはバッハのほか、イザイ、リゲティ、レーガー、ヒンデミット、ブリテンらの作品が知られているが、どれも入っていない。バッハの無伴奏作品は組曲であってソナタではないから入っていないかもしれないが、ヴィオラヴィオラ・ダ・ガンバと通奏低音のためのソナタも入っていない。チェロではないからというのが理由なのかもしれないが、それならばなぜシューベルトのアルペジョーネ・ソナタやフランクのソナタ(ヴァイオリン・ソナタの編曲)が入っているのか、よくわからない。たぶん、既に発売されている盤の使いまわしなのだと思う。安く作ろうとした結果だと言い聞かせている。

それはさておき、ソナチネもよい。無伴奏はいい曲なのだが緊張してしまう。ソナチネになるとピアノが入って、適度な遊びが出てくる。

カプリッチョは再び無伴奏となる。オクターブのバッテリーが高音部で頻出するなど、練習曲のような趣もある。ただ、いたずらに技巧に偏ってはいない。

アダージョは心が温まる一品。

ソナタは2楽章からなる。無伴奏ほどの厳しさはなく、こちらも好きだ。ただ、この好きというのは浪花節が好きというのと同じ路線だ。同じハンガリーのバルトークと比べると、バルトークはどうも頭で解釈してしまう。それでも、このソナタの第2楽章で聞こえる弾むリズムは、バルトークをどうしても想像してしまう。

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