ハイドン チェロ協奏曲第1番ハ長調2019/11/25 18:52:52

ハイドンはごく普通の曲をごく普通に書いたが、ときどき驚くべきパッセージを繰り出すことがある。この協奏曲でも、第3楽章で、どうやったらチェロが、最低音の C と高い音を交互に出せるのかとびっくりしながら聞いていた。楽譜を見て確かめたい気もしたが、今は抑えておこう。

と書いたが、楽譜を見てしまった。まずは小手調べの箇所。第3楽章の第2主題が属調のト長調で提示されるが、その途中、68小節からのチェロ譜を掲げる。

わたしが驚いたのは、第3楽章の上記のフレーズが主調のハ長調で再現される208小節からのチェロ譜である。チェロ譜ではテナー記号とヘ音記号が交互で書かれているが、あえてここではヘ音記号のままで載せる。

そして、hasida さんが「凄そうに聞こえます」と書かれていたのはここだろうか。実際、凄い。133小節からの箇所を掲げる。こちらも高音部はテナー記号で書かれているが今回は読みやすさを考えてト音記号にした。低音からいきなり高音だ!

ここまでくれば、もう笑うしかない。

コメント

_ hasida ― 2019/11/26 21:37:56

そんなこと書いてくれるから、生まれて初めてこの曲を聞いて、楽譜も確かめてみてしまったではないですか。たしかに、低いCと高い重音とが交互に出てきます。
ただ、IMSLPで聴ける録音は、あまり鮮明ではなく、子の箇所は冴えません。
それよりは、拍の頭で低いGを弾いてから上に飛び上がるところの方が凄そうに聞こえます。

_ marinkyo ― 2019/11/28 09:41:58

これは凄いですよ。チェロならではの奏法に親指のポジションという左手の押さえ方があります。動画を見るとわかりますが、隣り合った2つの弦を左手の親指で押さえ実質弦長を短くすると同時に、残りの4本の左手指を使って音程をとるというものです。左手もさることながら弓をもつ右手とうまく同期させるのが大変です。それにしてもハイドン先生の大胆さには驚くばかりです。

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