集合算を考える2018/04/06 00:10:01

中学受験の算数では、文章題が与えられる。文章題は単なる計算題との対比的な記述であり、文章から式の処理を読み解いて答を求める形式をいう。文章題の解き方は○○算としてパターン化されることが多い。

さて、そんな文章題に「集合算」というパターンがある。その例を某所から少し改変してみてみよう。

小学校のクラスで、算数が好きな児童は全体の1/2います。国語が好きな児童は、男子では全体の1/6 、女子では全体の1/3います。そして算数が好きな男子児童は計12人います。このクラスの児童は計何人ですか。

この問題を解こうとして困った。ひょっとして児童の総数は不定なのではないか。そう感じた。私の考えは次のとおりである。 まず、児童の総数は12人以上である。これは(算数が好きな)男子児童が12人いるからだ。そして、児童の総数は6の倍数である。なぜなら、国語が好きな男子児童が全体の1/6なので、これが整数になるためには全体は6の倍数でなければならない(なお、全体の1/2や1/3という条件もあるが、こちらは 6 が 2 と 3 の公倍数であるので心配しなくてよい)。児童の総数は12N でいいのではないか。

N=1 のとき、児童の総数は 12 人だ。そうすると「算数が好きな児童は全体の1/2」という条件に反する。だからN=1はありえない。 N=2 のとき、児童の総数は 24 人だ。このとき、「算数が好きな児童は全体の1/2」だから、算数が好きな児童は 12 人で、うち男子児童が 12 人、女子児童が 0 人だ。ここまでは矛盾しない。一方、国語が好きな男子児童は 4 人で、女子児童が 6 人である。これも矛盾しない。 N=3 のとき、児童の総数は 36 人だ。このとき、「算数が好きな児童は全体の1/2」だから、算数が好きな児童は 18 人で、うち男子児童が 12 人、女子児童が 6 人だ。ここまでは矛盾しない。一方、国語が好きな男子児童は 6 人で、女子児童が 12 人である。これも矛盾しない。 N=4 のときも同様に計算すればよい。 これでは N が一意に決まらない。 実は隠れた条件がある。引用元の解答では、次の条件が成り立つものとして答を決めている。 条件「児童は算数か国語のどちらかが好きで、しかもどちらかだけが好きだ」 この条件があると、N=2の場合のみ矛盾なく成立する。確かめられたい。

この記事へのコメント

この「隠れた条件」は酷いですねぇ・・
大体、集合というとベン図が頭に浮かんできて、
(算数/国語)×(好き/嫌い)
の4通りをまず考えてしまいます。

で、6N(N>3)でいいですよね?
Posted by hasida at 2018年04月07日 22:50

あっ!答えは6N(N>3)でいいです。本文は誤りですが、偽造ねつ造は恥ずかしいのでそのままにします。
もとへもどって、この問題が紹介されていたページではやはりベン図を書いていました。
Posted by まりんきょ at 2018年04月08日 14:01

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