シューマンの『森の情景』を聴く2026/01/27 19:26:14

シューマンは嫌いな作曲家である。もちろん、好きだ嫌いだに理由はない。ただ、理由があるなら、その嫌いな理由をはっきりさせておくのがいいだろうとも思う。

さて、シューマンのピアノ曲で中程度に知られているのが『森の情景』(Waldscenen)である。この曲集はそれほど嫌いではない。というのも、第1曲『森の入口』(Eintritt)は、私が小さなときに、テレビの「ピアノのおけいこ」の終わりにいつも聞こえていた曲だからだ。小さなときに何度も聞いた曲は、私の場合、どうしても嫌いになれないのだ。

シューマン森の情景第1曲

ただシューマンが「頭がわるいのかなあ」と思うのは、この楽譜の4小節め、右手のDや左手のBに<>という記号をつけていることだ。この<>を単純に cresc. と decresc. の意味だとすれば、ピアノという鍵盤楽器でこの cresc. と decresc. を一音で出すことはできない。物理的にできないことをなぜ指示するのか理解できない。好意的にみれば、この音は大事に弾け、と解釈できるのだろうが、それだったらテヌートを書いておけばいいだろう、とシューマンのピアノ作品全体が嫌いな私はそう思う。