朱里エイコの「白い小鳩」に感動する2024/03/18 23:59:59

きのう放映された「ザ・カセットテープ・ミュージック」は都倉俊一の特集だった。そこで紹介された曲で朱里エイコが歌った「白い小鳩」にぶったまげた。これはすばらしい。

イントロは強烈なビートの刻みから始まる。これに乗って、ギターがペンタトニックのがっしりしたラインを奏すると、ついでストリングスがやはりペンタトニックで重なる。ポップスで使われるストリングスのペンタトニックは流麗でダサいのだけれど、それがこの曲にはいい作用をしている。キーボードのコードが打ち鳴らされたあと全楽器がドミナントとなって歌の開始を待つ。歌は次のように始まる。

この町で生まれたのよ
悲しみだけうずまく町

なんとパンチが効いた歌なのだろう。和田アキ子より声質が高く、それだけ当たったら痛いだろう。こんな歌手、日本にいただろうか。

どこか遠く逃げたいわ 私は白い小鳩

この逃げたいわのところで朱里エイコはダミ声を轟かせる。あな恐ろしや。この3行を構成するAメロが新たな歌詞で繰り返される。

そしてBメロ-サビで朱里のパンチは冴えわたる。Bメロ最後の伸ばしは、伴奏楽器群の和声と合わせてテンションコードを形成し、不安は高まる。その後はAメロが復帰する。

名曲だけあって、椎名林檎や増田惠子がカバーしているが、さらに多くの歌手によってもっとカバーされていい。

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