ブライロフスキーのショパンのワルツを思い出す2020/09/14 23:00:00

昔話をつづける。1970年代、金のない私は、1300 円以下のレコードを注意深く探していた。そのころ、ひょっとしたら、レコード屋に、廉価版コーナーという、1500 円以下のレコードを集めた一角があったのではなかった。というのも、昔から、れんか、という字が読めたからだ。

さて、1300 円で買ったレコードに、アレクサンダー・ブライロフスキーのショパンワルツ集があった。1300 円で売っているアルバムだし、ブライロフスキーなんて、たいしたことのないピアニストだと思っていた。ところが、あるとき、ブライロフスキーを高く評価している人がいて驚いた。もっとも、その人によれば晩年のブライロフスキーは大したことがないようなことを言っていた。私が買った 1300 円のアルバムは、たぶん晩年の録音だった気がする。ということは、やはり 1300 円の値打ちしかなかったのだろうかとがっかりしたものだった。

とはいえ、私がショパンの中でいちばん愛着がある曲種といえば、ワルツである。それは、このアルバムのおかげである。ほかのショパンは、レコードではなく、前奏曲と練習曲を除けば、エアチェックしたテープがすべてだったからである。

なお、ショパンの曲は昔も今も全然弾けない。