エンドピンの緩みを思い出す2020/09/12 23:00:00

きのうは演奏会中のピアノに起こった話を取り上げたので、今回はチェロの話を取り上げる。

私が聴きに行ったチェロのリサイタルで、ブラームスのチェロソナタ第1番があった。

フィナーレはあの険しい、切迫した2つの楽器の対決である。興味深く聴いていたら、曲の中ほどでチェロのエンドピンが緩んだらしく、チェロがふらついているのがはっきりとわかった。このフィナーレは、チェリストにエンドピンを締めなおす余裕を与えてはいない。チェリストは必死になって両足でチェロを締め付けつつメロディーを保ち続け、最後の音まで到達した。チェロはやんやの喝さいを浴びたように見えた。

この話を昔いた弦楽合奏団の仲間に話をしたら、あるチェリストはソロではなかったがやはり同様の目にあったらしい。私は今まで、エンドピンが緩んだことはないが、気持ちが緩んでいるのかもしれない。