フォーレの舟歌第1番を考える ― 2021/11/16 23:59:59
まずはフォーレの舟歌第1番を考えよう。イ短調のこの曲は、舟歌初心者が最初に手を付けると思われる。しかし、思ったより難しい。それは、イ短調なので黒鍵を使う機会が少なく、♭や#が多い調性より指の動きが不自然になってしまうことがあげられる。また、後うちの箇所で左が妙に音を響かせてしまうと滑らかな進行を妨げてしまうことがある。ただ、アルペジオの幅はそれほど広くなく、また速いパッセージもほとんどないので、タッチに自信のある人はこの曲を選んでいいだろう。
構成は、A-B-A-C-B-A-D(コーダ) ととらえるのがいいだろう。まず、A の冒頭の4小節の楽譜をお見せする。お分かりのとおり、高声が和声、低声がベース音、そして中声がメロディーだ。右手の親指と左手の親指・人差し指・中指で中声をとればいい。まずは右手と左手を交互に使って一つのメロディーラインを浮き立たせる手法が見て取れる。
Bの部分は9小節から始まる。9小節から12小節を以下に示す。低音の後打ちの重音を軽く弾きたいが、これがけっこう難しい。
Bの部分が終わるとAの部分が修飾されて再現し、イ短調で終始する。その後、ハ長調の伴奏型が2小節奏されたあと、Cの部分がハ長調で登場する。37小節から40小節を掲げる。小節内ヘミオラの典型といってよい。
最近のコメント