「1ミリも興味ない」という表現を調べる ― 2025/01/17 22:59:38
最近、「1ミリも興味ない」など、少しも、全く、・・・ないという意味で、「1ミリも」という強意表現をよく見る。これについて私が気になっていたことが2点あって、それはほかの人も言っている。その2点とは次の通りである。
- ミリがかかる単位が不明確である
- ミリの他にも小さいことを意味する接頭辞が多数あるのに、ミリだけ使われる理由がわからない
第1の理由については、本来ミリという接頭辞は単位と合わせて初めて正しい使い方になる。普通、暗黙の了解で単にミリと言ったときはミリメートル(mm)のことだが、物理でお分かりの通り、ミリはメートルだけでなく、質量を表すグラム、時間を表す秒、電流を表すアンペア、および国際単位系(SI)で規定されている組立単位のあらゆる単位に付けることが可能である。この単位が略されていては意味がない。
第2の理由については、SIで規定されている接頭辞がほかにも多くあることだ。0.001倍を表すミリは、0.1倍を表すデシ、0.01倍を表すセンチより小さいものを表せるが、さらに小さいものを表す接頭辞に、マイクロ、ナノ、ピコ、フェムト、アトなどがある。静電容量を表すファラドは、平気でナノファラド、ピコファラドなどを使う。パルスレーザーの中にはフェムト秒単位でパルスを制御できるものもある。
ともあれ、私は使わないことにする。
なお、この用法についてはレファレンス共同データベースの資料も参考になる。 「1ミリも興味ない」という表現があるが、なぜミリなのか、語源や表現ができたきっかけなどあるのか知りたい。(crd.ndl.go.jp)
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