フォーレのピアノ五重奏曲第1番の演奏を聴きに行く2025/11/24 21:06:09

チェロの達人である友人の K さんから、フォーレのピアノ五重奏曲を弾くので聴いてほしい、という誘いがあったのがおよそ半年前だった。その後、11/24 に演奏するということがお知らせがあり、期待に胸を膨らませて出かけることにした。演奏会場は、山手線の某駅から某私鉄で4駅あまりの場所にある。私は運動不足解消と運賃節約を兼ねて、山手線の某駅から演奏会場まで歩くことにした。山手線の駅からは会場まで歩いていくとして、途中でどこか昼食をとる時間も含めて2時間近くあれば十分だろうと思い、家を出た。

ところがもくろみは崩れ去った。自宅から電車を乗り継いでいくといろいろ乗り換えに時間がかかったりして、実際山手線の某駅についたのは開演の1時間半前で、しかも山手線を降りて道に迷って反対側を目指して歩こうとしたりして、まったくもって困ってしまった。ただ幸い、比較的駅間が短い路線だったことと、地図をしっかりもっていたこと、昼食を速く食ったこと、これらの幸運が重なって、開演の15分前には会場に着くことができた。

会場の中に入るとほどなく K さんがいたので、少しだけ話をした。私は、「自分はもう仕事をしていないから、自分が所属している団体に練習に出かけることをしなくなったら、本当に引きこもりになってしまいます」と自嘲気味に話すと、K さんは「おっ、弾きこもりですか」と返して来た。本番前で緊張しているかと思いきや、さすがである。

申し遅れたが、この演奏会は、ピアニストの F さんが(1曲を除いて)と登場する演奏会で、ソプラノ独唱や、ヴァイオリンソナタ、弦楽四重奏曲、ピアノソロ、クラリネットソナタなどが演奏された。フォーレの五重奏曲はトリである。K さんと、F さんや他の演奏者との関係は特には尋ねなかったが、きっといろいろなご縁があってのことなのだろう。ちなみに、ピアノ五重奏曲を弾くセカンドヴァイオリンの方は、この演奏会の最初でソプラノの歌手として登場した方だった。二刀流か!そしてフォーレの曲についての演奏前の紹介はK さんからだった。はにかみながら話す姿がいい。

期待していたフォーレの五重奏曲はすばらしかった。みな熱がこもった演奏だった。どの楽章も好きだが、私が特に好きなのは第2楽章の中間部で、5人の演奏もうまく雰囲気を出していた。帰りは K さん夫妻にご挨拶をして家路に着いた。これからはもっとフォーレの室内楽を聴くことにしよう。

テレマンのトリオ・ソナタを聴く2025/10/31 11:35:14

テレマンのトリオ・ソナタを聴いた。TWV 42:d7 という作品番号がついている。テレマンが残した作品はバッハをはるかに超えると聞いたことがある。バッハの作品目録が BWV で呼ばれているようにテレマンの作品もテレマン作品主題目録番号(Telemann-Werke-Verzeichnis)で呼ばれている。

私はテレマンの作品を全くと言っていいほど知らない。たまたま、ある方のブログを見ていてこの作品を知った。そして、この作品が「ミラシド」で始まっているので、このブログで紹介してみたくなった。


タカーチ弦楽四重奏団を思い出す2025/10/22 10:24:55

このところのニュースを聞いていて、とつぜんタカーチ弦楽四重奏団という団体を思い出した。私は、タカーチ弦楽四重奏団の演奏を聴いたことがあったかどうかまったく覚えていないが、この団体の名前はなぜか憶えていた。家にタカーチ弦楽四重奏団のCDはないはずだが、部屋の整理をするとひょっとしたら出てくるかもしれない。きっと、部屋の整理をしろという天のお告げなのだろう。少しだけ整理をしてみよう。

モーツァルトのクラリネットと弦のための五重奏曲を聴く2025/10/01 23:05:16

つい最近、モーツァルトのクラリネットと弦のための五重奏曲を聴いた。この曲を聴くと、いろいろといいことばかりではない昔のことがよみがえるので積極的に聴きたいとは思わないけれど、それだけ力がある曲だということなのだろう。楽譜は特に記さずにおく。そして、この曲を生演奏で聴く前にどんな楽想だったかを振り返ってみたが、例によって緩徐楽章の第2楽章だけ思い出せなかった。

シューベルトの『死と乙女』を聴く2025/09/29 11:25:39

きのうは某所に出かけて行って、シューベルトの弦楽四重奏曲『死と乙女 D810』を聴いてきたのだった。第4楽章はミラシドで始まる。

例によってこの譜面を abcjs で書き起こしてみた。この abcjs の音源は装飾音符の前打音を該当拍の頭で鳴らし、その結果主音符の入りが遅くなって実に妙な音が聞こえる。通常は、前打音は前の拍に組み込まれ、この曲でいうと、3拍めの A の音が16分音符2つに聞こえるぐらいがちょうどいい。ではきのうの演奏はどうだったか、ということについては、私は耳が悪いのでよくわからない。

ベートーヴェンの三重奏曲第5番「幽霊」を思い出す2025/09/23 23:39:52

ベートーヴェンの三重奏曲第5番「幽霊」を思い出した。面白い名前だと思う。

シャミナードの三重奏曲第2番第2楽章を聴く2025/09/22 23:14:13

フランスの作曲家、シャミナードの三重奏曲第2番第2楽章を聴いた。ソドレミで始まる。調と速度から、私はなんとなくシューベルトのアルペジョーネソナタの第2楽章を思い出す。

クリニックでフォーレが聞こえてくる2025/08/26 14:53:35

二か月に一度行くクリニックがある。数年前初めて行ったときには昔、フォーレの(ピアノ、ヴァイオリン、チェロのための)三重奏曲 Op.120 の第1楽章が聞こえてきたことがあり、その後行く都度この三重奏曲だったが、数回するとほかのドビュッシーの音楽になったりした。今日はどうだろうか、と思って待合室にいたら、フォーレの室内楽でびっくりした。あまりの驚愕のため、あれほど何度も聴いているはずの曲が何なのか、5秒間ぐらいわからなかった。心を落ち着けて聴きつづけると、(弦とピアノのための)五重奏曲第1番の第1楽章だった。場所は、展開部の中ほどから再現部を迎えようとするあたりで、いよいよ再現部かと思ったそのときに、私の名前が呼ばれた。診察室に入ると当然音楽は聞こえない。ちょっとがっかりした。

譜面は102小節(練習記号12)から105小節までである。チェロはこの譜面ではピチカートで始まり途中アルコに代わるが音にはうまく反映できなかった。

パガニーニの「協奏的三重奏曲」を聴く2025/07/30 22:57:54

パガニーニの「協奏的三重奏曲」を聴いた。編成は、ビオラ、チェロ、ギターである。ギターが入っているのがいい。そして、パガニーニといえばバイオリンだと思うのだけれど。バイオリンが入っていない。これが渋い。

ハイドンの「ひばり」を久しぶりに聴く2024/09/30 23:02:20

なんだか気分が今一つ乗らなかったので、久しぶりにハイドンの「ひばり」を聴いた。そういえば昔、ハイドンの「ひばり」を聴くという記事を書いていたことを思い出した。この記事を書いていたときも気分が沈んでいたと思う。

昔の記事では第1楽章のことを書いている。今日は第4楽章のことを書こうと思ったが、うまく書けるか自信がない。そこでもう一回、第1楽章のことを書く。

私が昔、八重洲室内アンサンブルに入った時は、ピアノを弾きたいという意思をもっていた。ただ、ピアノの方はすでにいらしていた。そんなこともあって、あまりお呼びがかからなかったのだろう。その後しばらくして、およびがかかるようになり、ピアノ専門要員として行きだした。

あるとき練習にお邪魔したら、バイオリン2人とビオラ一人がいらっしゃったが、チェロはいなかった。誰かが「ここに『ひばり』の楽譜があるから弾いてみようか」と言い出して、私だけ弦楽器が弾けないものだからチェロのパートをピアノで音を出してみた。第1楽章を引き終わって、「ああ、俺がチェロを持っていて、チェロが弾けたらなあ」と強く思った。私がチェロを買って練習し始めたのはこれがきっかけだ。およそ 40 年前のできごとである。『ひばり』を聴くと、そんな思い出もよみがえる。

第4楽章はこんな感じだ。最初に生演奏で聴いた第4楽章は遅いと感じた。たぶんここで再生できるテンポぐらいだったはずだ。でも、今ではこのぐらいのテンポでちょうどいいと思う。