エレファントカシマシの「偶成」を聴く2023/10/03 21:16:34

エレファントカシマシの初期の歌では、宮本浩次が文芸ロッカーであるためか、ふだん使われない単語が使われることがある。「偶成」は、タイトルからしてほぼ今の日本では使われないことばだ。昔使われたのかも知らないほどだ。ただ、音楽、特に和声学の分野では、偶成和音という述語があり、これは声部に非和声音が入った結果偶然成立した和音、という意味である。独立した単語としての偶成とは、詩などの芸術作品が偶然にできること、あるいは偶然できた作品のことをいう。さらに、中国南宋の儒学者朱熹によるとされる詩の表題が「偶成」がある。これは「少年老いやすく学なりがたし」で始まる有名な詩で、詩吟などでも取り上げられる。(なお、現在の研究によれば、この詩の作者は朱熹ではない別人である可能性が高いという)

それはともかく、このエレファントカシマシの「偶成」を聴いていると、落ち込んでしまう。絶叫する宮本が「しかばね」という言葉を二度発すると、私はもうすぐあの世に行ってしまうのかと落ち込んでしまう。