故村山聖九段の声を聴く ― 2025/11/11 22:55:30
おととい放映された将棋フォーカスを録画しておいたので、今日見てみた。講座のあとは広島出身の将棋棋士をとり上げていた。広島の将棋棋士とくれば文句なしに故升田幸三九段だが、次に来るのが故村山聖九段だ。将棋フォーカスでは、昔行なわれたNHK杯将棋トーナメントの決勝戦で、羽生善治対村山聖の終盤と表彰式が放映された。その表彰式で村山の声を聞くことができた。誰かが書いていたように、少し低い、よく通る声だった。将棋フォーカスに出ていた山口恵梨子女流三段が「私、村山九段の声を初めて聞きました」と語っていた。私も、意識して聞いたのは初めてかもしれない。というのは、この決勝戦の様子は放映されたとき見ていたような気がするからだ。ただ、表彰式まで見ていたかどうかは定かでなく、そのため村山九段の声を聞いた覚えがないままいままで来てしまったのだった。
ということで、この録画はしっかり永久保存しておこう。
佐藤天彦九段対斎藤慎太郎八段戦を見る ― 2025/11/07 10:17:04
最近放映された、NHK杯将棋トーナメントの佐藤天彦九段対斎藤慎太郎八段戦を見た。図は、後手の斎藤八段が2四にいた金で先手の2五にいた桂馬をとった局面である。この手は悪手で、後手の玉に即詰が生じた。
先手の佐藤九段は秒読みに追われて☗1四桂と香車を取ったがこれが敗因になった。正着は☗3四桂とこちらに跳ねる手で、以下☖1二玉☗1三歩☖同玉☗2二角☖2四玉☗1三銀☖同桂☗3三銀☖同銀☗同角成 となり、後手玉が詰みとなる。
解説の藤井猛九段は、AI に☗3四桂を指摘されてもすぐにわからなかったが、しばらくして即詰の手順を見出した。また局後の感想戦では、藤井九段に☗3四桂を指摘されると、両対局者とも一瞬疑問の表情を浮かべたのち、ああ!と合点していて、佐藤九段は悔しそうな表情をしていた。斎藤八段は詰将棋作成の名手としても知られているが、この詰手順には気づかなかったのだろう。なかなか実戦は難しいものだ。
詰将棋に手こずる ― 2025/11/05 12:34:16
詰将棋の本を図書館から借りてきて、毎日解いている。易しい問題は解けることが多い。おもしろいことに、朝一目で解けた詰将棋が、同じの日の昼にもう一度解こうとするともう解けなくなっていることである(その後、1分考えて解けた)。もちろん、逆のこともあるのが救いだ。
身体能力や思考能力が老化・減退しているのは日頃感じているのだが、それにしても朝にできたことが昼にもうできなくなっている、というのは余りにも極端だ。がっかりする。
ちなみに、私が同じの日の昼にもう一度解こうとするともう解けなくなっている
と書いた、その作品の図面を掲げた。高橋道雄(著) 『1手~9手詰め 詰将棋 202 題』からの第113問である。
新ヶ江幸弘氏の「四銀詰」の解説を見る ― 2025/10/27 14:08:19
最近、YouTubeを見てしまっている。時間の浪費のような気がしていたのだが、この動画は見てよかったと思った。
詰将棋の世界では「四銀詰」といえばこれを意味するほど有名な新ヶ江幸弘氏の「四銀詰」が、なんと作者本人が解説しているという貴重な映像が、つい最近公開されたのだ。
https://www.youtube.com/watch?v=JB6QoTwNgIU
この解説を見ると、変化手順や紛れのほか、作図にいたった経緯や推敲の過程までわかる。決定図では、攻方☗1八香となっているが、当初完成したときは攻方☗1八歩だったこと、これを攻方☗1八香にした理由まで解説されていて、あっという間の30分だった。
将棋倶楽部24のサービス終了を知る ― 2025/10/06 10:38:27
インターネットでの将棋対局サイトである将棋倶楽部24が、2025年12月31日でサービスを終了することを知ったのは、今月(2025年10月)1日のことである。そんなことになるのか、と驚き、嘆き、悲しんだ。そして、サービス終了の理由に後継者が育たなかったことを席主の久米氏が終了の理由としていることを発表しているのを読んで、やはり後継者不足はサービス終了の大きな要因になるのだと改めて思った。なお、席主とは将棋や囲碁の道場の責任者のことをいう名称である。
私はかなりの時間を将棋倶楽部24に費やしてきた。そのあまりの時間のゆえに失ったものが多くあった(と思う)。実際、2回ぐらい、将棋倶楽部24から長期間(2度ともおそらく6か月ほど)離れていた時期があった。しかし、結局戻ってきてしまった。身近にいる人からは「結局やめられないんでしょう」と言われ、その通りになってしまった。悔しい。戻ってきたのは私が将棋依存症という病気ではなく、得られたものが多くあったからだ(と思いたい)。
実は、将棋倶楽部24のサービス終了を知った最初の知らせは、瀬川晶司六段のブログの記事からである。明日対局と題されたその記事の冒頭に、将棋倶楽部24の年内終了が告知されました。
の一文を見つけ、びっくりしたのだった。サービス終了を受けて、将棋倶楽部24や席主の久米氏への感謝の意を表明した現役将棋プロ棋士は瀬川六段しか知らないが、おそらくはかなりの棋士が同じように思っているだろう。
さて、将棋倶楽部24のサービスが終わってしまったあと、私はどうするかについて考えておかないといけない。選択肢は大きく分けて2つある。インターネット将棋を続けるか、それともやめるかだ。
インターネット将棋について将棋倶楽部24の他にも将棋ウォーズや81dojoなどがあり、それぞれ盛況を誇っているという。将棋ウォーズは私も一時期対局していたことがあったが、主にスマートフォンでの利用が想定されていてPCでしか対局ができない私にはうまく扱えなかったこと、対局時間が短く歳を取った私には考える時間が足りずに欲求不満のまま負けることが多かったことから、2局しか指さずにそれから止めてしまった。将棋倶楽部24ではほとんど「持ち時間15分、秒読み60秒」のルールで対局してきたのに対し、将棋ウォーズでは「10分切れ負け」・「3分切れ負け」・「10秒将棋」しか選べないからだ。81dojo では将棋倶楽部24で私が指していた持ち時間制に近いものも選べるので、まだ指したことはないがいいかもしれない。
いっそのことインターネットをやめてしまう手もある。そうすれば、もっとたくさん本が読めるし、もっと楽器が練習できるだろうし、もっと部屋も片づけられるだろう。考えてみよう。
将棋棋士の名前を思い出す ― 2025/08/20 11:26:55
最近暑いので、ただでさえ働かない頭がますます働かない。そんな頭だが、ときどき気になっていることがあるのでこの際ブログに書くことにした。
人の名前は、特に最近知り合った人の名前はなかなか覚えられないが、昔の人の名前はまだ覚えている。また、趣味に関連した名前も覚えがいいほうだ。私が記憶している人の名前といえば、プロ将棋棋士の名前である。さて、名字が同じ人はけっこういる。一番多いのは佐藤ではなかったかと思う。では、名字でなく下の名前、英語で言う first name が同じ人はどれだけいるだろうか。なお、以下ではタイトル名、段位、敬称等はすべて省略した。また比較対象はいずれも現役棋士どうしとした。
まず、名人の藤井聡太だ。同じ「聡太」という名をもつ棋士はいない。そして A 級の 10 人をみてみよう。このうち、渡辺明は、同じ明という名前をもつ棋士がいある。C級1組の西尾明だ。読みもおなじ「あきら」である。他には新A級の近藤誠也に対し、C級1組に冨田誠也がいる。どちらも読みは「せいや」だ。
B級1組の13人には同じ名前をもつ棋士はいない。
B級2組は26人いる。そのなかで、藤井猛と同じなのがフリークラスの川上猛だ。読みも同じ「たけし」である。文字が同じで読み方が違うという組もある。横山泰明の名は「ひろあき」であり、一方フリークラスの 塚田泰明の名は「やすあき」である。
次に31人のC級1組だ。先に見た西尾明や冨田誠也のほかに、どちらもC級1組の中川大輔と片上大輔がいる。どちらも読みは「だいすけ」だ。そして、岡部怜央に対してC級2組の小山怜央がいる。二人とも「れお」と読む。
56人いるC級2組は、既述の棋士を除けばいない。また、フリークラスにもやはり既述の棋士を除けばいない。
とはいうものの、見落としがあるような気がする。
ウナギのことを思い出す ― 2025/06/29 11:55:22
もうすぐ土用の丑の日である。土用の丑の日には鰻を食べるのが習わしで、しかも、蒲焼にするのが一般的だ。この風習を評して、ウシにカバにウナギという3種類の動物が一度に飛び出すのが面白い、ということを最初に目にしたのは、確か糸井重里の萬流コピー塾でだったと思う。
そんなこととは関係なく、今朝していたことは、昔行っていてなじみがあった東中野の ALT_SPEAKER という店は今はどうなったか、ということだった。グランドピアノが弾けたし、おつまみもすべておいしかったからなくなってしまうのは惜しい。検索すると、どうやら同じ中野区の野方に新たに店を構えるらしい。よかった。そういえば野方ってどんなところだろう。野方駅というのがあることは知っていたがあれはどの路線だったか、と調べていて野方を調べると、野方の北西に鷺宮があることがわかった。そういえば、鷺宮定跡という、将棋で四間飛車に対抗する定跡があることを思い出した。これを調べていたら藤井猛九段の名前が出てきた。藤井九段といえば、「鰻屋」発言で有名である。そういえば、もうすぐ土曜の丑の日だ、ということに改めて気づいた。
改めて、というのは実は今朝早くにも気づいていた。近くのスーパーマーケットに買い出しに行くと、ウナギの売り出しがビラを置く場所の多くを占めていて、いかにも購買意欲をそそるのだった。私はウナギが好きだが、絶滅危惧種とまで言われると、そこまでして食べる気にはならなくなってしまう。埼玉県は結構ウナギの名店が多く、私が住んでいる越谷市にもウナギで有名な店があるが、お値段がやはり私のような貧乏人には手が出ないので行ったことがないし、これからも行かないだろう。
私が店でウナギを食べたことを覚えているのはただ1回である。某氏のお誘いで伊豆を旅行したとき、某氏が「ここはウナギで有名な店だよ」というので私とつれあいはウナギを注文した。ところがウナギを勧めた某氏自身はウナギでない別のものを注文したのだった。残念なことにそのときのウナギの味は覚えていない。
ところで、このブログの名前は「まりんきょの音楽室」である。ウナギに関する音楽といえば、クープランのクラヴサン曲「うなぎ」であろう。うなぎは高くて食べられないが、インターネットで聴くだけならばタダみたいなものだ。YouTube の「うなぎ」のピアノ演奏を聴いて、ウナギを食べたことにしよう。
日本将棋連盟の会長に清水市代氏が選ばれたことを知る ― 2025/06/07 22:28:22
日本将棋連盟の会長に清水市代氏が選ばれたことを知った。将棋文化が広まることに清水氏を初めとして日本将棋連盟で一丸となって取り組んでもらえることを願う。
NHK将棋トーナメントを見る ― 2025/05/06 23:26:27
NHK将棋トーナメントの放映がおとといの日曜日行なわれていたのでビデオにとっておいた。それをきのう見てみた。山崎隆之九段と岡部怜央五段の対戦である。私はこの二人であれば山崎九段を応援する。というのは、山崎九段が広島県広島市の出身であり、わたしのつれあいも広島県広島市の出身だからだ。二人の対局は岡部五段の居飛車に対し、山崎九段の角交換ダイレクト向飛車で始まった。岡部五段が仕掛けてからは居飛車側がよさそうだったが、山崎九段の対応が功を奏して逆転し、あとは玉が薄いまま勝ち切った。
やはり広島の人を応援するのが、私にとっていいことだろうと思う。
長沼洋八段の引退を知る ― 2025/05/02 23:25:38
日本将棋連盟のホームページを見て、長沼洋八段の引退を知った。私が長沼八段の名前を知ったのは「駒取り坊主」という異名からである。駒を取るのが好きなアマチュアは多いと思う(何を隠そう、私もそうだ)。駒取りという、プロ筋からは皮肉に受け取られかねない異名を付けられることに私は興味を抱いた。
いつのことだったか、長沼八段は「将棋世界」で初心者用の講座を1年間執筆していた。そのなかで、銭湯かどこかで、ちょっとこわいあんちゃんに、「将棋の駒の動かし方知らへんか」と声を掛けられたという。八段は「知らない」と答えたというので思わず笑ってしまった。
もう一つ、忘れられないのは、2008 年に放映されたNHK 杯戦で羽生善治を破ったことである。私はその将棋をテレビで見ていた。着々と駒を蓄え羽生の無理攻めをいなす姿に、異名に恥じない指しっぷりであることを強く感じた。羽生が投了した図を見ると、後手の長沼八段の駒台には金銀桂が各1枚に歩が10枚乗っていることがわかる。
長沼八段には引退後も指導・解説などで活躍してほしいと切に願っている。

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