小節をさらに考える ― 2024/06/19 23:09:33
きのうのブログに加えてもう少し材料を書き足すつもりだったが、思ったより材料がないことにあきれた。
弱起-Auftakt は、小節から少し前にはみ出すことを普通いうが、逆に小節の頭に少し休符が入るのも広義の弱起としているようである。休符が入る例は、例のベートーヴェンの交響曲第5番第1楽章の主題だろう。
ほかにも、バッハのインベンションの第1番と第8番は、下声がなく、上声がいきなり休符付きのメロディーを弾くので、心の中で休符を唱えないとけっこう難しい。シンフォニアの第5番は下声部から休符つきで始まるのでこれもまた難しい。
あと、これは弱起というよりシンコペーションなのだが、ハイドンの弦楽四重奏曲「ひばり」の第1楽章がこわい。この2分の2拍子の曲で、途中で小節線をまたいだ位相のシフトが起きるのがおそろしい。写真は3段の大譜表で、上段左が32小節めだ。このあたりは1拍目のアタックがあるのだが、上段右の37小節めで拍の頭のアタックが消える。そして中段からは小節頭のアタックが入るときにわざと混乱させるように拍の中間に sf を入れるのだから手が込んでいる。下の段で小節頭のアタックは復活するが、p になるのがやはり拍の中間で、完全に位相シフトが消えるのが51小節のフォルテである。何度聞いてもここは混乱する。
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