エレファントカシマシの「金でもないかと」を聴く2021/10/16 14:02:36

最近、エレファントカシマシの音楽を聴いている。今回は「金でもないかと」の歌い出しを楽譜に書き起こしてみた。

楽譜でおわかりのとおり、最初は素直だ。もちろん、なさけない。金がないかと下を見て歩く人を見かけたことがある。また、私も、落とした金を探すために下を見て歩いていたことがある。私の場合は、他人が落とした金を拾おうと思いながら下を歩いたことはないが、ひょっとしたらいつかはそうするかもしれない。そういえば、新宿駅西口に公衆電話だけが数十台、ズラリと並ぶ一角があった。ここを通っていたあるとき、お釣りの返却口に小銭がおかれたままになっていないかをコンマ何秒の素早い動きで調べている人がいた。そのときは携帯電話が十分普及し公衆電話を使う人も減っていたから実入りは期待できなかっただろうが、きっとそうせざるを得なかったのだろう。

詞は〽おもてをあるけば 人にぶつかる と続く。私はスーパーに行くと、よく人とぶつかりそうになる。私がいけないのではなくて、私が行くところに人がたっているのが悪いのだ、と思うようになってきた。これは自分が年寄りになった証拠だろうか。

歌詞はさらに、 〽ああ みんなつまらん顔して と嘆く。まったく、自分もそうだが、つまらない顔だと思う。昔、ソネット形式で詩を多く残した中桐雅夫という詩人がいた。『会社の人事』という詩集を持っていて、愛読していた。この本に収められた『会社員』という詩の最後の連をふと思い出す。この目刺しというのがグサリとくる

目刺しのように並んでいる良心の割引者たち、
会社員ばかりの厭な日本だ。

それはともかく、エレファントカシマシである。ああ このまま まさかこのままと宮本浩次は絶叫する。それから先は、実際に歌を聴くのが早いだろう。

Sheet Music for "金でもないかと"金でもないかと宮本浩次 作詞・作曲EA