ラフマニノフの楽興の時 Op.16-1 を聴く2021/10/18 19:37:01

録画していたビデオで、ラフマニノフの楽興の時全6曲を聴いた。私はピアノを趣味で弾くが、ラフマニノフの曲は弾けない。なぜなら、難しすぎるからだ。だから、あまり聴くことにも熱心ではなかった。しかし、ラフマニノフである。少しは聴くべきだろう。そう思ってビデオも録画した。しかも、何を思ったか、弾けないのに楽譜を買ってあった。ということで、楽譜を映像を交互に見ながら楽興の時を聴くことにした。

そういえば、楽興の時を買った理由を思い起こしてみた。はるか昔、ある方が弾いた楽興の時 Op.16-1 が印象にずっと残っていた。そこで、買ってみたというわけだ。5年ぐらい前のことである。

楽興の時というのは、ロマン派でいう性格的小品(キャラクターピース)の名前である。シューベルトにやはり6曲からなる楽興の時があり、こちらが有名だが、ラフマニノフのこの6曲もシューベルトについで有名だ。Op.16-1は、ショパンの夜想曲(ノクターン)を思わせる沈鬱なメロディーで始まる。中間部では変ト長調に転調し、翳りがある明るさを滲ませるが、やがて冒頭のメロディーがメリスマを伴って再現される。この細かなメリスマを、最初に挙げたある方が一所懸命に練習していた姿を今も覚えている。

ところで、「翳りがある明るさを滲ませ」た中間部のメロディーを聴くたび、わたしはあるコマーシャルを思い浮かべるのだった。以前のブログに書いた「痔にはボラギノール」だ。