エレファントカシマシの「習わぬ経を読む男」を聴く2021/09/29 18:43:00

最近、エレファントカシマシの音楽を聴いている。今回は「習わぬ経を読む男」の歌い出しを楽譜に書き起こした。

エレファントカシマシの曲には、きのう取り上げた「てって」もそうだが、表題がどこから来たのか謎のものが結構ある。「習わぬ経」とはもちろん、「門前の小僧習わぬ経を読む」をもとにしているのだが、何を門前の小僧に、何を習わぬ経にたとえているのだろうか。 この詞に出てくる登場人物は、俺、昔の友、君、そして裁判所である。俺と昔の友と裁判所は、それぞれ別人格だろう。では、君とは、誰が誰のことを指して言ったことばなのだろうか。詞を読むと、俺が昔の友を指して言ったことばのようだ。だから、どうなっているのだろう。

門前の小僧は「俺」のことだとしよう。習わぬ経を読むことは、歌詞のことばを借りれば「(俺が)人ゴミにのまれて流れに流れてく」ことだろう。一方、門前の小僧は「昔の友」だと考えることもできる。「俺は変わっちまったそうさ」という言い草は、昔の友は変節する、というありがちな解釈ではないか。そんな解釈はあたかも習わぬ経をそのまま暗唱する門前の小僧ではないか。どちらの解釈も、自信がない。そんなこと、宮本浩次の歌のまえでは、どうでもいいことのように思える。