エレファントカシマシの「てって」を聴く2021/09/28 19:40:35

最近、エレファントカシマシの音楽を聴いている。今回は「浮き草」の歌い出しを楽譜に書き起こした。

エレファントカシマシの曲には、表題がどこから来たのか謎のものが結構ある。この「てって」もそうだ。たぶん、どこだかを見ればその謎が解けるのだろうが、あえてもう少し自分の中でその謎を飼っておくことにした。

曲の内容は、ハナ肇とクレージーキャッツの植木等が無責任シリーズで歌っていたスーダラ調を彷彿とさせる。たとえば、下の楽譜で書かれた後は「結局無理してつぶれてしまうよ」と続く。そしてサビでは〽楽して楽してするりとくぐりぬけよう、と宣言する。楽して、で思い出すのは無責任一代男の詞でこちらは〽楽してもうけるスタイル、である。両者の相違点は詞の内容で、クレージーキャッツの詞は権威に向かった攻めなら、エレファントカシマシの詞は自分に向かった守りである。共通点は、どちらも付点音符のノリがスウィングしていて、脱力した感じを受ける。こののち、エレファントカシマシは「俺たちの明日」で「さあがんばろうぜ」を歌うけれど、別にこれは変節でもなんでもなくて、そのときそのときの心情を歌ったらたまたま別の面が現れたということなのだろう。