会社の不祥事で思い出す ― 2023/07/28 23:59:59
ある会社の不祥事が連日報道されている。私は、会社なんて多かれ少なかれ、不祥事はあると思っている。そして会社の規模が大きくなればなるほど、その不祥事の数は多くなり、質(たち)が悪くなるものだと思う。私は会社に対して、少なくとも利益を追求する組織は、不祥事を抱え込むことは宿命だと思っている。
不祥事を根絶するために、社員に対して法令順守教育を徹底する、ということがよく行われている。しかしこれは、言うは易く行うは難し、だ。
ある社員教育の場でこんなことがあった。社員教育の場で会社は(というより会社が連れてきたコンサルティング会社の研修担当者が)、「皆さんの会社では、お客さんや下請企業と対等な立場で、長くお付き合いをするために努力しなければなりません」と形通りの言葉を述べた。質問の時間になったので、ある法務担当者はいたずら心を出してみた。「私は法務担当者なのですが、お客様と契約を結ぶときでも、下請企業となるときでも、必ず自社が有利になるように契約の文言を修正しています。これが対等な立場となるような努力といえるのでしょうか。」それに対して研修担当者がどのように答えたのか、その法務担当者は覚えていないという。その答が要領を得なかったからなのか、いたずらで質問をしたからそれで満足してしまい答を忘れてしまったのか、そのどちらかなのだろう。ただ、担当者が回答したあとで、その担当者の上司、あるいは補助者にあたる方が追加で回答したのは事実であったという。二人の人間がドギマギしてしまったら、法務担当者も質問の甲斐があったというものだろう。
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