フィビフの「気分・印象・追憶」を弾いてみる2021/12/02 23:59:59

自分が弾くこともできずに棚を占領しているピアノやチェロの楽譜がけっこうある。さすがに、一度は目を通しておかないといけないと思い、取り出したのが、チェコの作曲家であるズデニェク・フィビフ(Zdeněk Fibich)の「気分・印象・追憶」(Nálady, Dojmy a Upomínky)である。この曲集をなぜ買ったはわからない。おそらく楽譜屋で安売りされていたので買ったような気がする。

難度はそれほど高くはない。一つの曲も長くはない。落ち着いて弾ける。非常に穏健な作風だ。ただ、ドヴォルジャークのような人好きがする旋律かというと、それほどでもない。そして、ヤナーチェクのような、ひっかかりがする特異な作風かというと、まったく異なる。

面白いのは、最初の2小節が同じで、その後の進行が異なるという組が、複数見られることだ。最初の2小節が同じで実は性格を異にするか、というとそうではなく、気分的に似ている。そのあたりが、「気分・印象・追憶」たるゆえんなのだろう。