フォーレ「ドリー」のオーケストラ編曲を見る(5)2025/05/21 22:21:51

フォーレ「ドリー」のオーケストラ編曲(5)として5曲目の『優しさ(タンドレス)』をとり上げる。私見では、ドリー全6曲のうち、最もフォーレらしさが出ている曲ではないかと思う。

主部はのらりくらりとして(音楽のたとえにのらりくらりというのもおかしいが)つかみどころがない。管弦楽配置でいうと、メロディーをVn1とVn2だけでなく、チェロもdivisitの上がメロディーを奏している。この上のチェロは音域が結構高いので大変だ。ほかに和声を担当するのはCl, Fg(バソンというべきか), Tb, Hr, Va, Cb である。と中間部は一番オーボエと一番ホルンがカノンの先と後を担当する。音楽の流れはハープが作る。主部が戻ったあと、ごく短いコーダがついて終わる。