市場について思う2018/10/09 23:00:19

10月11日、東京では豊洲市場が取引を開始する。豊洲市場は築地市場が移転したものだが、移転に対する是非についての考えはここでは公開しない。その代わりにいくつか書いてみる。

数十年前、まだ学生だったころだ。
巣鴨駅の近くにある八百屋でアルバイトをしていた。あるとき、午前10時ごろだったか、私がバックヤードでゴソゴソ準備をしていたとき、八百屋の主人が「いけねえ、キャベツの仕入れを忘れちゃったよ。今から買いに行ってくるか。市場が近くにあってよかった」とこぼしていたことがあった。そして10分後、主人は無事キャベツ仕入れて戻ってきていた。そんなに近くに巣鴨の市場があったのか。今調べてみて、確かに近くにあった。その市場は私が住んでいた寮にも近かった。にもかかわらず、一度も場所を確かめに行くことすらなかった。

その後会社勤めをし始めて、いろいろあって東京の江戸川区に住むことになった。ここの近くには花き(花卉)市場があった。青果のトラックに混じってときどき花屋のトラックも近くの道を通っていた。ここの市場は、場所を確かめにはいったものの、中に入ったことは一度もなかった。

その後越谷に住むことになり、職場が新宿になった。通勤経路はいろいろあるが、高いか、長時間かかるか、そのどちらもあてはまるかのいずれかである。結局安い経路を選んだが、その結果乗り換えの時間がかかり、疲れる。2回の乗り換えの中間では常磐線を使う。その常磐線が隅田川を渡るあたりに足立市場がある。この市場では何が扱われているのか知らなかったが、魚介類だけということをつい最近知った。

この事実を知る前後、築地市場の近くにある取引先を訪問した。このとき、市場正門前を通り過ぎたのだが、少し行ったところに「ここは築地市場青果部です。無断立ち入りを禁じます」というような看板があった。それまで「築地=魚市場」という固定観念があり、青果も扱っているとは知らなかった。