駒タイトルを獲得する ― 2022/09/05 23:59:59
タイトルの「駒タイトルを獲得する」といっても、何のことかわからないだろう。少し説明する。
インターネットで人間相手に将棋が指せるサイトに将棋俱楽部 24 がある。私はここで対局を昔からしている(ただし数年間の中断あり)。強さの尺度としてここではレーティングを採用している。レーティングとは強さの点数のようなもので、ざっくりいうと強いと点数が高く、弱いと点数が低い。だいたい同じ強さの人と戦って五分となるように、対戦の勝敗ごとにレーティングを上下させる。
さて、だいたい同じぐらいのレーティングの人同士で対戦するので、対戦相手にはそのレーティングが出ると同時に、そのレーティングに相当する段級が表示される。ところが人によっては、段級ではなく「金将」とか「銀将」と表示される。なぜこんなことになっているか理解できなかったが、どうやらこの「金将」とか「銀将」とかというのは、将棋倶楽部 24 で行われている24名人戦というタイトルマッチで所定の成績を収めた人に贈られる称号であることがわかった。この称号は、将棋の駒や将棋に準じた対戦ゲーム駒の名称から取られているので「駒タイトル」という。
通常のプロのタイトル戦というのは、称号をもったチャンピオンがいて、そのチャンピオンに挑戦し、先に所定の勝ちを得たほうが次期チャンピオンとなる。つまり同時に一人しかチャンピオンにはならない。しかし、 24 名人戦は、複数人に駒タイトルが授与される。
駒タイトルが授与されるまでは次の通りである。まず、24名人戦に申し込むと、予選の組み分けがされる。ほぼレーティングが同じ人たちが集まる予選リーグで、40人コースと12人コースのいずれかが選べる。どちらの場合もリーグの全員と対局するのが基本である。対局すると、勝敗に応じて点数が加算され、点数が多い半数が予選を抜け、本選に進むことができる。本選はすべて20人のリーグ戦であり、40人コースからきた人と12人コースからきた人が合わせてリーグを戦い、上位10人が駒タイトルを得る。
長々と書いたが、私が参加したリーグは自分より強い人たちしかいなかった(こういう状態を「家賃が高い」ということをあとで知った)。なぜこんなことになったのかだが、私がまぐれで(名人戦前のふつうのレーティングタイトルで)勝っているときに基準点が算定され、その後負けがこんでいって普段通りの実力になっても、勝っているときの基準点で振り分けられてしまったからだろう。
まあしかし家賃は高いが最善を尽くすしかない。予選リーグは12人中5位というぎりぎりの成績で本選に進むことができた。そのうちの1勝は、相手が一手詰め!を逃したために得たものでまったく自慢できないが、まあなんにせよ勝ちは勝ちである。
本選リーグは20人である。ということは19人と対局しなければならない。家賃が高いのは予選リーグと同じ、否、予選リーグより家賃がさらに高くなっている。なんとか気力を振り絞って対局したが、あっという間にふっとばされた将棋もあれば、粘って粘って負けた将棋もあり、かっこよく勝った将棋はほとんどなかった。それでも18人と対局し、なんとか暫定順位11位になった。ぎりぎり駒タイトルは獲得できなかったが、私の棋力ではそれでも上出来だろう。
ところがである。本選リーグでは暫定順位算出後ある処理をして最終順位を出すのだが、その処理の結果で何人かの順位が入れ替わり、私は最終順位9位となって駒タイトルを獲得できた。暫定順位から入れ替わった結果だから気持ちは複雑だが、正直にいえばうれしい。こんなうれしいことはこの数年なかったなあ、と昔を振り返った。
ちなみに、私が得た駒タイトルは「金将」である。この「金賞」というのは、レーティングを段級に換算して二段にあたる優勝者に授与される。私が二段格というのは面映ゆいが、まあいいではないか。
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