フォーレの「ピアノとオーケストラのための幻想曲」を調べる(8)2020/06/17 23:00:00

今回は練習記号7、99小節から調べる。
フォーレ「ピアノとオーケストラのための幻想曲」第99小節
いよいよ第1部の結尾を迎える。上記はピアノの練習記号 7 の部分で、ちょっと媚態が感じられる箇所である。ここまで、オーケストラの弦セクションはコントラバス以外ミュートをつけていたが、この箇所でミュートをはずす指定がある。そしてが弦セクションと管楽器・打楽器がぞくぞく入ってきて盛り上がり、B7 の和音が響き渡ったのちにゲネラルパウゼとなり、第1部が終わる。この後の第2部に期待が高まる。
なお、ピアノは終結部で、最低音の H (ロ音)より1オクターブ高いロ音単独で終えているが、アリシア・デ・ラローチャは、この H と1オクターブ低い、つまりピアノの最低音の H をオクターブで弾いているように聞こえる。この、ドーンという響きで思い出したのがやはりラローチャが弾くアルベニスの「イベリア」から「エリターニャ」の演奏だった。ラローチャはこのエリターニャの再現部の手前で楽譜に書かれている B (変ロ)音をやはりオクターブ低い音で補強して録音したのだった。私はこのオクターブ補強を効果的だと思うが、第2部では別のオクターブについて言及することにする。

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