ドイツ三大B 人気曲ベスト30を考える2022/09/15 21:04:02

昔のブログに https://marinkyo.asablo.jp/blog/2005/10/16/109884 ドイツ三大B 人気曲ベスト30があり、思うところはあとでコメントする、と書いた。その後、コメントしないまま15年以上たってしまった。あわてて思うことを書いてみよう。以下はそのときの人気の順である。

30 ベートーヴェン トルコ行進曲
29 バッハ      管弦楽組曲第2番
28 ブラームス   愛のワルツ
27 バッハ     イタリア協奏曲
26 ベートーヴェン ワルトシュタイン
25 ベートーヴェン 熱情
24 ベートーヴェン 君を愛す
23 ブラームス   弦楽六重奏曲第1番
22 バッハ     インヴェンション第1番
21 ベートーヴェン 悲愴
20 バッハ     無伴奏チェロ組曲第1番
19 ベートーヴェン スプリングソナタ
18 ブラームス   交響曲第3番
17 ベートーヴェン 交響曲「英雄」
16 ブラームス   子守歌
15 バッハ     ゴルトベルク変奏曲
14 ベートーヴェン ピアノ協奏曲「皇帝」
13 バッハ     小フーガト短調
12 バッハ     ブランデンブルク協奏曲第5番
11 ベートーヴェン エリーゼのために
10 バッハ     平均率クラヴィア曲集第1巻第1番
09 ブラームス   大学祝典序曲
08 バッハ     トッカータとフーガニ短調
07 バッハ     G線上のアリア
06 ブラームス   ハンガリー舞曲第5番
05 ベートーヴェン 月光ソナタ
04 ベートーヴェン 交響曲「田園」
03 バッハ     主よ、人の望みの喜びよ
02 ベートーヴェン 交響曲「運命」
01 ベートーヴェン 交響曲「合唱」 

1位が「合唱」であるのには恐れ入った。私は「運命」のほうが上位に来ると思っていた。「歓喜の歌」の、使い減りしない有用さが、「合唱」が1位に来る理由なのだろう。

「主よ、人の望みの喜びよ」が3 位のきたのは意外だった、バッハの曲で有名なのはここにある 7 位のG線上のアリアと 8 位のトッカータとフーガニ短調が双璧だと思っていたからだ。この曲が上位に選ばれるのは当然だが、いったい何をもとにして順位を決めたのだろう。

4 位には「田園」が来たのも意外だった。ベートーヴェンの交響曲なら、「英雄」や第7番が来てもいいのではないかと思ったからだ。特に第7番は「のだめカンタービレ」が人気になっているので有名になっているだろうと思ったら、テレビ版は2006 年からだった。マンガでも評判にはなっていたが、やはりテレビの影響のほうが大きいのだろう。余談だが、この「田園」の第2楽章がテレビコマーシャルで使われていたのだが、商品がどうしても思い出せない。キッチンブライトのような気もするが、たぶん違うだろう。

5 位の月光ソナタがこの位置にあることは妥当だと思う。和音の推移だけで音楽を作るという玄人向けの曲は、この月光のほかにも後に出てくる。

6 位にハンガリー舞曲第5番が来たのは、ブラームスの知名度からすれば出きすぎのようにも思える。とはいえ、このメロディーは誰でも知っているから、ここにあるのも当然だろう。なお、ピアノ弾きにはこの曲は連弾曲で嬰ヘ短調で書かれているように覚えているが、オーケストラ編曲ではト短調になっている。わたしはオーケストラで弾くまで、オーケストラ版がト短調であることを知らなかった。おまけに、オーケストラの編曲は何種類もあることすらしらなかった。最初渡されたチェロの譜面は2拍子の頭の表の音だけ弾けばいい版だったので楽だな、と思って気を抜いていたら、あとで「これではつまらないからもっと音のある版にします」と言われ再度渡されたのは表の音だけでなく裏の音もある版で、にわかに忙しくなってしまった。

7 位の「G線上のアリア」が来ているのはいいが、考えてみればこの曲の取り上げ方に統一性がない。しかたないといえばしかたないのだけれど、「G線上のアリア」は元来管弦楽組曲第3番のうちの「アリア」のみを指すのだから、29 位に管弦楽組曲第2番が入っているのを見ると、アルバムとシングル曲を同じ次元に入れているようで、この順位付けに意味がないような気がする。

8 位の「トッカータとフーガニ短調」については、バッハ本人の作かどうか確実たる証拠がないことで知られている。私はこのあたりのことはよく知らないので逃げるが、「トッカータとフーガニ短調(ドリア調)」という作品もあり、こちらは非常に聴きごたえのある逸品である。

9 位にブラームスの「大学祝典序曲」が入ったのは意外だった。この曲を知っている人なんて、大学受験ラジオ講座を聞いていた還暦より上の人たちぐらいではないだろうか。うーん、大学に入って入学式で大学のオーケストラがこの曲を演奏することも多いだろうから、それで知った人が多いのかな。

10 位の平均率クラヴィア曲集第1巻第1番も意外だった。これはむしろ、グノーがこの前奏曲にヴァイオリンの旋律を付けて「アヴェ・マリア」としたので広まったのではないのかな。前奏曲は知られているが、フーガはほとんど知られていないのではないか。こういう非対称性はほかに、よく知られたパッヘルベルのカノンと、全く知られていないこれとついになっているジーグがある。

えらい長くなってしまった。11 位以降は明日以降に回す。

09 ブラームス   大学祝典序曲

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