土佐浩司を思い出す2022/09/09 23:59:59

とつぜん、土佐浩司という棋士がいることを思い出した。すでに引退してしまったが、天才肌ということばがぴったりくる棋士である。私が何より覚えているのは、次のことばである。

私は中学生のころ、将棋を知った。私の知らない世界が広がっていることを知り、将棋の雑誌を買ってみた。毎月ではなかったが、将棋世界や近代将棋を買っていた。そんなある日、近代将棋で(おそらく将棋世界ではなかったと思う)、土佐浩司という棋士が誕生した、すなわち四段になったことを伝えていた。雑誌のインタビューで「新四段になった抱負は」と問われ、土佐は「特にありません」と答えた。わたしはこのことばにびっくり仰天した。普通は新四段になるのは非常に苦労するものでから、今後のことについては解放感をにじませながら、名人を取るとかなんとか言いそうなものだ。それを「特にありません」で済ませてしまう、その度胸に驚いたのだった。もっとも、私はこれ以降の新四段の抱負をすべて知っているわけではないので断言はできない。

土佐の棋士番号は 124 で、直近の新四段の棋士番号が334だから、土佐のあとに210 人プロ将棋棋士が誕生しているわけである。この 210 人の新四段の抱負を並べてみると、面白いと思う。

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