バルトークのオーケストラ曲を聴く2021/10/14 23:07:03

ビデオに撮りためていた音楽番組を見た。最近見たのはバルトークの「中国の不思議な役人」と「管弦楽のための協奏曲」だった。バルトークは好きな作曲家か、と問われると、峻厳な作品を残した畏怖すべき作曲家であり、簡単に好きとか嫌いとか言えない作曲家だ、と答えることにしている。

バルトークにはピアノ作品がいくつかあるが、そのほとんどが難しいので、私には弾けない。「こどものために」や「ミクロコスモス」にはやさしい作品もあるが、私のようなおじさんが弾くのはルール違反だろう。

オーケストラ曲はいくつかあるが、おそらくこの「中国の不思議な役人」と「管弦楽のための協奏曲」は代表的な作品といえるだろう。特に「管弦楽のための協奏曲」はよく知られている。私は、この2曲は名前だけ知っているが聴いたことがない、と思っていた。ところが、「中国の不思議な役人」は終結部だけどこかで聴いたことがあるのが記憶にあった。そして、「管弦楽のための協奏曲」は、かなりの部分、記憶に残っているメロディーがあった。これにはわれながら驚いた。バルトークを畏怖する力が私に強く存在していて、その力が記憶にとどめさせたのだろうか。

クラシック音楽を知らない人に、バルトークはどんな音楽を書いたのかを説明するのはかなり難しい。もちろん、「ルーマニア民族舞曲」を書いた人といっても、どれだけわかるだろうか。「大改造!!劇的ビフォーアフター」というテレビ番組で、ところどころ用いられた、明るく、弾むような音楽を書いたのが、バルトークですよ」といっても、わかるだろうか。もっともあれは、バルトークのほんの一面でしかない。他に有名な曲があっただろうか。バルトークのゴツゴツした部分を継承した作曲家にヒナステラがいて、このヒナステラの作品をもとにしたプログレッシブ・ロック(いわゆるプログレ)はあるのに、バルトークの作品がプログレッシブ・ロックになったということは聞かない。