エレファントカシマシの「ゴクロウサン」を聴く2021/10/01 19:26:51

最近、エレファントカシマシの音楽を聴いている。今回は「ゴクロウサン」の歌い出しを楽譜に書き起こした。

この「ゴクロウサン」という表題で思い出したのは、やはりハナ肇とクレージーキャッツの「無責任一代男」だった。青島幸男の歌詞になるこの「無責任一代男」の最後は「人生で大事なことは タイミングにC調に無責任 とかくこの世は無責任 コツコツやる奴ぁ ゴクロウサン! ハイ ゴクロウサン! 」で終わる。あの植木等のあっけらかんとした笑い声が聞こえてくる。このゴクロウサンで終わる大団円は、もとは青島幸男のものではなく、作曲者の萩原哲晶によるものだと、青島は後に明かしている。それはともかく、このエレファントカシマシも明るい。こちらはブルース調のノリだからクレージーキャッツとは違うし、悪いヤツらは裏でニヤニヤというように影を感じさせる歌詞でもあるが、聴き終わった後の爽快感は似ている。

エレファントカシマシの「夢の中で」を聴く2021/10/02 15:01:16

最近、エレファントカシマシの音楽を聴いている。今回は「夢の中で」の歌い出しを楽譜に書き起こした。

この数日間は、エレファントカシマスの「THE ELEPHANT KASHIMASHI」という最初のアルバムの曲を取り上げている。最初のアルバムなのに、疲れたサラリーマンがグチをいう内容なので、おかしい。歌詞には、明日のことを考えずに生きる、ということも出てくる。これは、前向きに生きるということなのだろうか。ただ、曲は、グチをいうような感じの、弛緩した調子で貫かれている。

なお、本曲は作詞が宮本浩次・石森敏行、作曲が石森敏行である。最初のこのブログを書いたとき、作詞・作曲 宮本浩次と書いてしまったが、これは誤りだった。お詫びして訂正する。

エレファントカシマシの「やさしさ」を聴く2021/10/03 13:02:20

最近、エレファントカシマシの音楽を聴いている。今回は「やさしさ」の歌い出しを楽譜に書き起こした。

この曲は、有名な何かの曲と似ているような気がしてならなかった。身近にいる人に聞いてみると、ビートルズの「オー!ダーリン」ではないかという。なるほど、確かにそうだ。違いは何かというと、ビートルズの歌は英語なのでわからないのに対し、エレファントカシマシの歌は日本語なのでよくわかる、ということだ。疲れた感じがよく出ている。ただ、歌詞の最後で〽帰る場所はお前だけさ、というところはちょっと甘いかな、という気がしている。何が甘いのか自分でもよくわからないが、「お前」に救われてしまうのが幸せそうで妬んでしまうのだ。

エレファントカシマシの「花男」を聴く2021/10/04 18:18:19

最近、エレファントカシマシの音楽を聴いている。今回は「花男」の歌い出しを楽譜に書き起こしてみた。

この詞には「生きる屍(しかばね)」ということばがよく出てくる。私は自分のことを「生ける屍」と思っているので、この詞には共感する。ただ、最初の連は「生きる屍 こんにちは」となっているが後の連はすべて「生きる屍 さようなら」という前向きな詞になっているので、私のような隠居には荷が重い。

さて、屍ということばは文語的で、特に「生ける屍」というと文学の匂いがプンプンする。実際、トルストイには「生ける屍」と題された戯曲がある(が私は読んだことも、また劇上演を見たこともない)。また、森鷗外の「舞姫」にも「生ける屍」が出てくる。この「生ける」というのは現代ではほとんど使われない。エレファントカシマシの「生きる屍」とはどう違うのか。調べてみたら、この形は五段活用動詞 「生く」に完了の助動詞「り」の連体形が付いたもので、「生きている」という意味だとわかった。「り」は官僚の助動詞とはいっても、この場合は継続を表している。「生ける屍」だと古めかしいので、「生きる屍」にしたのだろう。いずれにしろ、この表現には驚く。

それはそれとして、エレファントカシマシの初期の曲には、表題に男がつくものが多いし、歌詞にも「男」が出てくるものがよくある。ところが、この曲は、どこが花男なのかがわからない。だいたい、花男という単語が日本語の語彙にあるとは思えない。ならば、詞からこれこれこういう意味で花男になるということが言えるのだろうが、私には読解力が不足しているので皆目見当がつかない。

登場人物は、俺、きさま、策士どもである。きさまが策士どもを指すかどうかは、判然としない。では花男とは誰だろうか。俺のことだろうか。では花男とはなんだろうか。花も実もある男、という意味だろうか。

これまたまったく関係ないが、一時期「男」を主人公としてあたかも連作のように集中的に小説を書いていたのが、後藤明生である。わたしはエレファントカシマシの歌を聴くと、後藤明生のことを思い出す。こんな聴き方をするのは私だけだろう。

ボラギノールの宣伝を思い出す2021/10/05 19:20:14

ビデオでラフマニノフの「楽興の時」を聴いていた。第1番を聴いていると、どこかで聞いた節回しが聞こえる。ラフマニノフのほうを引用するのは難しいので、似ていると思った、「痔にはボラギノール」の節をここに掲げる。ラフマニノフと痔とは、何の関係もないはずだ。

「小さなお葬式」を思い出す2021/10/06 20:06:37

「小さなお葬式」というテレビコマーシャルがある。小さなお葬式だけあって、コマーシャルソングも短い。ところで、「小さい」と「小さな」の違いはどこにあるのだろうか。全然気にしていなかった。

工藤静香の「黄砂に吹かれて」を聞く2021/10/07 21:52:07

テレビのビデオを見ていたら、工藤静香が「黄砂に吹かれて」を歌っていた。私はこの歌を知らなかったが、ミラシドで始まる。これは俺のページに追加できると思ったが、すでに 5ch では知られていた:
https://mamono.5ch.net/test/read.cgi/music/1260533196/32
初めて見つけたのが俺ではなかったのが残念だが、せっかくなので楽譜にしておく。

ブックオフが閉店しているのに気づく2021/10/08 19:23:42

あるとき、自宅から一番近いブックオフに行って、本を立ち読みしようとしたら、そのブックオフが今年の9月で閉店していることがわかった。立ち読みしようというあさましい気を察知して閉店したのかと思ったが、とにかく嘆かわしい。コマーシャルソングを書いたが、2度と使うまい。 と言えないのが悲しい。

桜井順の訃報に接する2021/10/09 19:53:00

最近、感性が鈍化したせいか、いろいろな音楽を聴いてもときめくことが少なくなった。もちろん、生で接する音楽は楽しいし、心が躍る。しかし、昔好きだった音楽でも、録音された音楽が再生されただけでは、どうも感動が薄くなってしまっている。

それはともかく、少し前のことだが、桜井順が亡くなった。コマーシャルソングを多く取り上げたこの音楽室では、当然もっとこの桜井氏の作品を取り上げなければならなかった。下記は富士フイルムの「お正月を写そう」の節である。

すぎやまこういちの訃報を知る2021/10/10 19:45:16

きのうに引き続き、作曲者の訃報について記す。先日、すぎやまこういちが亡くなったとの報道があった。90歳である。長生きすることはよいことだ。報道では、ドラゴンクエストの作曲者としての紹介が多くを占めていたようだが、私はドラゴンクエストどころか、コンピュータゲームをしたことがないのでわからなかった。ただ、ソドレミで始まる最初だけはあまりにもいろいろな場面で紹介されていやでも耳に入ってしまうので、覚えてはいる。

すぎやまこういちは歌謡曲でも名曲を残している。ここで紹介するのはザ・ピーナッツが歌ってヒットした「恋のフーガ」である。ただ、この曲が有名になったのはメロディーというよりは編曲の斬新さだろう。今回採譜した楽譜は、編曲者である宮川泰に敬意を表して、イントロだけにした。コード進行も、Dm->E7 ではなく Bb->E7 という、ナポリの六度にしているのが凝っている。