ピツェッティのヴァイオリンソナタ イ調を聴く2021/08/04 23:00:00

ピツェッティ ヴァイオリンソナタ イ調 第1楽章冒頭

家の CD には2種類ある。よく聴いたことのある CD と、聴いたことを忘れている CD である。ピツェッティ(ピッツェッティ)の三作品が収められているCDは、よく聴いたことのある CD だ。今回はそのうち、ヴァイオリンソナタ イ調を取り上げる。

このヴァイオリンソナタは全3楽章からなる。どの楽章にも、長めのピアノソロによる導入がある。第1楽章は Tempestoso という速度記号がある。嵐のように、情熱的に、という意味だろうか。調性については、フラット1つの調号がついているが、ヘ長調でもニ短調でもない。ソナタ イ調ということで終わりがAであるから、イを主音とするフリギア旋法を意識しているのだろう。拍子も3拍子であるが拍をつかみにくいし、3連符も出てきたりして流動的である。ヴァイオリンは譜面3ページめにして出てくるが、オブリガート的ではっきりした旋律を主張しているとはいいがたい。その後もヴァイオリンとピアノがからんでいるが、ウナギのようで妙につかみにくい。ただ、ヴァイオリンはト音記号の上加線の部分と下加線の部分で歌うようにこの曲は作られている。

第2楽章にはPreghiera per gl'innocenti という標題がある。イタリア語はよくわからない。WEB の翻訳機能によれば「罪のない人への祈り」という意味らしい。Molto Largo という速度記号のとおり、拍子記号は音符の大盤振る舞いである。

第3楽章は落ち着かない動きとけだるいメロディーに特徴がある。

ピツェッティの作品は牧歌的な印象が強く、感動を押し売りするような要素はなく、音の戯れに身を任せるような書法だ。以前、チェロソナタ・エディションでピツェッティとカステルヌーヴォ=テデスコの盤を紹介したので、長く間が空いてしまったが、ここでピツェッティの作品を再び取り上げた。

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_ まりんきょの音楽室 - 2021/08/07 17:55:39

ピツェッティの三重奏曲 イ調を聴いた