ヒナステラ:ピアノ五重奏曲2008/02/10 16:16:17

ヒナステラの曲の中では晦渋。7楽章からなり、全楽器で奏される奇数楽章が、1つまたは2つの楽器でのみ奏されるカデンツァ的な偶数楽章を挟む形式となっている。

第1楽章:十二音の中に、ヒナステラ風のフレーズが顔を出す。
第2楽章:ヴィオラとチェロの二重奏。ヴィオラの高まりがすばらしい。
第3楽章:弦に支えられピアノが高音で煌く。
第4楽章:ヴァイオリンの喧嘩の趣。
第5楽章:断裂したピアノと弦の響きにより、静かさが強調される。
第6楽章:ピアノが暴れている。
第7楽章:全楽器が咆哮する。

全曲を通して、メロディやリズムによらない、抽象的な喧騒や美感を打ち出そうとしているように私には聞こえた。

これが成功しているかは私にはわからない。ヒナステラの曲は、初期の人懐こい曲想から中期以降変容し、苦く、難しく感じられるようになる。おせっかいを承知で言えば、私の好きな作曲家であるフォーレにも通じる傾向である。

ヒナステラ:ピアノソナタ第1番2008/02/11 18:20:52

ヒナステラの作品の中で、もっとも人気の高い曲である。全4楽章。
第1楽章:ソナタ形式。全曲を通して変拍子と複合拍子が交錯する。第1主題はファンファーレ風の高音と湧き上がる低音の組み合わせによる力強い楽想。第2主題は装飾音を伴う子守唄風の楽想。
第2楽章:3部形式。無調のユニゾンによる無窮動に続きヒナステラ風のメロディーが顔を出す。
第3楽章:形式は不明。ギターの開放弦の音型(E-A-D-G-H-E)(ドイツ表記)から自由なアリアが生まれ、クライマックスに達する。
第4楽章:ロンド形式。3/4拍子と6/8拍子が絡み合う、血沸き肉踊る曲。ヒナステラのモチーフといえる、ソファミソファミレがここで聞こえる。このモチーフは、ハープ協奏曲の第1楽章でも使われる。

演奏はテレンス・ジャッドのものが群を抜いている。本ソナタの日本初演者である境さんのホームページや、本ソナタの各種演奏を聴き比べているkyushimaさんのホームページでも、テレンス・ジャッドの演奏の評価が高い。

ヒナステラ:ハープ協奏曲2008/02/11 18:54:13

ヒナステラらしさに溢れる、楽しい曲。ピアノソナタ第1番と並び、人気が高い。打楽器も大活躍する。
第1楽章:打楽器の喧騒から、憂いに満ちたハープの旋律が浮かび上がる。バックにときどきヒナステラのテーマ(ソファミソファミレ)が挿入される。
第2楽章:夜のしじまを思わせる美しい楽章。
第3楽章:五音音階の主題がハープとオーケストラのかけあいで展開される。

以下、戯言。
・日本のハープ奏者である吉野直子はたびたびこの曲を演奏している。あるときN響で競演したのだが、指揮者のサヴァリッシュは面食らっていたという。
・私はT教という宗教の門徒であるが、宗主T氏はヒナステラの大御所であり、このハープ協奏曲をギター協奏曲に編曲したという。完成したかは不明。