フォーレの舟歌第13番を考える2021/11/28 23:59:59

フォーレの舟歌第13番を考える。最初は簡素な様式だ。

春秋社版の解説では、本曲は三部形式とある。しかし、私は三部形式とは感じない。形式にこだわりたくないが、あえていうならA-B-A-C-Aのロンド形式だろうか。Bにあたる部分はB'とB''の2つに分かれていて、次に示すのは29小節から32小節の、B''の始まりの部分だ。

この31小節のフォルテの部分を聴くと、フォーレの初期の頃を思い出す。多分、バラード Op.19 に似た節があるからだろう。

Cにあたる部分は、前半では短調を基調とするが、調性はあいまいである。しかし、後半は長調が主な部分を占める。拍子が 9/8 になるとともに、左手は徹頭徹尾後うちとなり不安定なリズムが継続する。

三度目のA部分は主題が優美な装飾音符で飾られる。その後Bの前半も再現され、コーダに至る。これでフォーレの舟歌全13曲が完結する。

コメント

コメントをどうぞ

※メールアドレスとURLの入力は必須ではありません。 入力されたメールアドレスは記事に反映されず、ブログの管理者のみが参照できます。

名前:
メールアドレス:
URL:
コメント:

トラックバック

このエントリのトラックバックURL: http://marinkyo.asablo.jp/blog/2021/11/28/9444050/tb