NHK の将棋番組で佐藤康光九段と杉本昌隆八段の対戦を見る2020/08/16 21:22:05

NHK の将棋番組を見た。佐藤康光九段と杉本昌隆八段の対戦である。

佐藤九段は現在日本将棋連盟の会長である。名人2期をはじめ、錚々たる実績を誇る実力者である。そして羽生世代の代表でもある。

杉本昌隆八段は、藤井聡太棋聖の師匠である。藤井棋聖が有名になって師匠の杉本八段も有名になった。私にとっての杉本八段は、振り飛車党の中堅である。私が杉本八段を尊敬しているのは、東海地区に住んでいて活動をしているという点である。日本の将棋の棋士はほとんどが関東、残りが関西で、東海地区に常時住んでいる棋士は杉本八段のほかは引退した中田章道七段しかいないのではないか。だからこそ、愛知県瀬戸市に住んでいた藤井棋聖が、プロを目指すために師匠を探すとすれば必然的に杉本八段となるだろう。いい弟子を持つことができ、師匠冥利に尽きるのではないか。

話は脱線するが、特定の県出身の棋士の師匠は少数に固まる傾向があるようだ。故村山聖九段の師匠は森信雄七段である。森七段は愛媛県の出身であるがふとした縁で広島県出身の村山九段を弟子に迎えた。その後、広島県出身の棋士が森信雄門下から多く誕生している。わかる範囲で挙げると山崎隆之八段、糸谷哲郎八段、片上大輔七段、竹内雄吾五段である。しかし、森門下には他県出身者も多く、結局のところは広島に偏ってはいないということだろう。ちなみに、広島県出身の現役棋士は5人で、上記4人に加え今泉健司五段がいる。今泉五段の師匠は桐谷広人七段で、桐谷七段は広島県出身である。

話を元に戻すと、テレビカメラが映していたのは、序盤のおわりごろ、中盤に差しかかるあたりで、戦型は矢倉模様の相居飛車の盤面だった。なぜ杉本八段が居飛車矢倉を選んだのか。その謎はわからぬまま、わたしは盤面をぼんやり見ていた。解説の声も聞き覚えのありそうな声だがだれかわからない。ちょっとなれなれしい感じがしたような気もするが気のせいかもしれない。そう思っていると画面が解説者と聞き手に切り替わった。解説者は先崎学九段だった。先崎九段は明るい色のジャケットを着ていた。もう、うつ病はすっかりよくなったのだろうか。いらぬ心配かもしれないが、忙しくなってうつ病が再発しないといいがと祈っていた。先崎九段が対局者の二人をどちらも佐藤くん、杉本くんと呼んでいた。先崎九段は佐藤九段と同じく羽生世代だし、杉本八段より年上だ。自然に聞こえた。

肝心の将棋のほうだが、少し強引とも思える仕掛けを後手の佐藤九段が敢行し、先手の杉本八段が反撃するという、見ていて面白い将棋になった。結果は杉本八段の勝ちとなった。

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