ヴィヴァルディのチェロと通奏低音のためのソナタイ短調 RV43 を聴く2020/07/05 23:00:00

ヴィヴァルディのチェロソナタにはイ短調の作品が2曲ある。一つは第3番 RV43 で、もう一つが第8番 RV44 である。今回は第3番 RV43 のほうを聴いてみたい。ホ短調 RV40 とどことなく似ている。

第1楽章 Largo 付点音符主体の荘重な音楽だ。私が持っている楽譜では、1拍めの付点四分音符と2拍めの八分音符で記譜されている箇所は、1拍目を複付点四分音符に、2拍目を十六分音符で弾くように指示がある。2拍めの付点四分音符と3拍めの八分音符で記譜されている箇所も同様である。これには従うべきなのだろうが、あまり重々しくなってしまうのもどうかと思ってしまう。

第2楽章 Allegro 繰り返しが多いことはヴィヴァルディの特徴である。弦をまたいだ低音を響かせるところはなかなか効果的で、この曲でも最低音の C を鳴らすところがある。低音フェチの私にはうれしい。末尾近く、46小節の、スカルラッティを思わせる3度バッテリーの上昇は音程とリズムをきちんととりたい。

第3楽章 Largo 一拍を2つに等分する場合と3つに等分等分する(3連符)場合が混在するので、リズムがよれる恐れがある。Largo の気分で、焦らずに。

第4楽章 Allegro 繰り返しが多いとき、エコーをつけるかどうかが問題となる。昔は、エコーのとおり、二回目は弱くするのが常道だったが、演奏様式の研究が進んだ今は必ずしもエコーをしなければいけない、というものではないらしい。それを踏まえて、頭の古い先生に頭を垂れるときにはエコーをかけておくのが小利口な方法かもしれない。そんなことより、シンコペーションが頻出するので、リズムを自分の中できちんと刻むことが大事だと思う。

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