ギボンズの「ソールズベリー卿のパヴァーヌ」を聴く2022/03/07 19:28:56

第3週の2日めは、ソールズベリー卿のパヴァーヌである。この曲は次のソールズベリー卿のガイヤルドと並んで、思い出深い曲だ。私が聴いて衝撃を受けた曲集が、グレン・グールドによるイギリスの作曲家バードとギボンズの作品を集めたアルバムだった。

私はまだ若く、当時は、衝撃を受けたピアノ曲は難しくても弾かずにはいられなかった。幸い、技術的には難しくなさそうだ。グールドの弾いたバードの曲はほとんどフィッツウィリアム・バージナルブック1,2にあり、2 冊とも Dover のペーパーバックで廉価に売られていたから入手は容易であった。私はバードの曲ではのどかな「セリンジャーのラウンド」を好んで弾いていた。ところが、ギボンズの曲はフィッツウィリアム・バージナルブックにはほとんどなかった。かろうじてあったのがソールズベリー卿のパヴァーヌであったが、ガイヤルドは見つからなかった。そこでパヴァーヌをまず練習することにして、ガイヤルドは別の手段で探すことにした。

今改めてパヴァーヌの譜面を見ると、小節の割り方と音楽の流れが少しずつ違う、今の音楽理論から割り切れない動きかたをしている。これがギボンズの妙味だと思う。