ブラームスの「ヘンデルの主題による変奏曲」を思い出す(1)2021/08/15 23:00:00

ブラームスに「ヘンデルの主題による変奏曲」というピアノ曲がある。ブラームスのピアノ変奏曲にはほかにも「パガニーニの主題による変奏曲」があり、この2曲がブラームスの変奏曲の代表といえる。他にも、オーケストラには「ハイドンの主題による変奏曲」というのがあり、こちらも有名だ。

「ハイドンの主題による変奏曲」は、アマチュアオーケストラの面々からは「ハイバリ」と呼ばれることが多い。ハイドン主題によるバリエーション(Variation)というわけだ。では、ピアノ変奏曲は「ヘンバリ」とか「パガバリ」と略して言われることがあるのだろうか。あるようなのだが、私が疎いせいか、直接聞いたことはない。

それはともかく、「ヘンデルの主題による変奏曲」は昔好きだったのだが、今はそれほどでもなくなった。なぜかはよくわからないが、変奏がどうも単純な気がしているからだ。ただ、変奏が単純というだけならばフォーレの「主題と変奏」も単純なのだが、こちらは好きだ。だから、単純か否かというだけで好き嫌いを決めているのではないようだ。「パガニーニの主題による変奏曲」は昔から好きで、今でも好きだ。こちらも単純といえば単純だが、ピアノ技巧で勝負!という気合が感じられるからだろうか。

全然本題に入らないが、なぜ最近このヘンデルの主題による変奏曲を思い出したかというと、最近練習しているヴィヴァルディのチェロソナタ第4番変ロ長調の第2楽章が、この変奏曲の第1変奏とよく似ていることに気づいたからだ。

まず、ヘンデルの主題による変奏曲の第1変奏は次のとおりである。

ブラームス「ハイドンの主題による変奏曲とフーガ」より第1変奏

一方、ヴィヴァルディのチェロソナタは次の通りだ。

ヴィヴァルディ「チェロソナタ第4番」第2楽章

こちらはチェロがテナー記号で書いてあるからわかりにくいが、冒頭は似ている。調まで同じだ。