青江三奈の「伊勢佐木町ブルース」を聴く2021/06/08 19:41:35

ムード歌謡の続きである。水原弘の「君こそわが命」の次は、青江三奈の「伊勢佐木町ブルース」である。

この曲がヒットしたのは私が小さい時だったが、テレビから聞こえてくる青江の曲を聴いていたような覚えがある。さらにとんでもないことに、この曲が気に入ったあまり耳コピーをしようとして、チラシの裏に五線を書いて音程とリズムを書き写した覚えがある。結局そんなことはできなくて、どこかの本でこの曲の楽譜を見たら、調号にフラット(♭)がたくさんあったのにびっくりした。そしてこのフラットの記号が、この曲Bメロ「〽花散る夜を 惜しむよに 伊勢佐木あたりに 灯(あかり)がともる」の「あかり」に見えた。

以上の思い出は小さい時のことだからウソに決まっているのだが、自分を美化したいあまり、デッチ上げでもこんなことがあったことにしたいのだ。情けないことにデッチ上げしても美化したい思い出が青江三奈の伊勢佐木町ブルースにかかわることというのが、なんとまあスケールの小さいことよ。

ブルースといえば、淡谷のり子が「ブルースの女王」と言われることに異論はないと思われる。ではなぜ、淡谷のり子の歌は「ムード歌謡」ではないのだろうか。淡谷のり子はムード歌謡などという器には入らないということだろうか。

下の楽譜は、フラットの大盤振る舞いの結果、変イ短調という珍しい調性となった。原調は、この曲の歌碑によればイ短調なので、この譜面は半音下となる。