木村一基王位の偉業を称える2019/12/15 15:54:45

木村一基という将棋プロの九段がいる。木村九段は、46 歳にして初めてのタイトルである王位を獲得した。大変なことである。偉業である。なんでも若手がもてはやされるなか(私が中高年だからいうのだ。私が若手なら「なんで年寄ばかりのさばっているのだ、と憤慨するところだ)、非常にめでたいことである。

以下、少し補足する。
46 歳3ヵ月にして初めて王位というタイトルを獲得したことで、木村九段は初タイトル獲得の最年長記録を更新した。このときまでの記録は有吉道夫九段が持っていた記録で、37歳6ヵ月である。この37歳6ヵ月でもどれほど凄いことか。ちなみに、有吉九段の記録には、順位戦最年長勝ち越し(71歳)がある。また、私が驚くのは、49歳にして史上初の公式戦20連勝である(その後連勝記録は塗り替えられたが、49歳で20連勝できるプロ棋士はいるだろうか。ちなみに、羽生善治が現在49歳である)。

先に木村王位にかこつけて有吉九段のことを書いてしまったが、もう一つは木村王位が三段リーグにいたころのことである。当時から奨励会の三段リーグは難関であった。木村自身も23歳と遅咲きであった。私はそのころ、週刊将棋という新聞を買っていた。おそらくそのときに見た記事だと思うが(ひょっとしたら将棋世界かもしれない)、ある関西の将棋プロ棋士が、やはり関西所属の三段を紹介していた。この三段と木村一基三段の将棋をプロ棋士が紹介していたのだった。めったにない急戦の将棋で、関西の三段はかなり自信のある形だったのだが、どうやらこの形は木村三段の研究にも入っていて、結果は木村の勝ちであった。そこでプロ棋士は、木村三段はここまで研究しているのか、という驚きの声を記事にしていたのだった。

木村は奨励会当時から勝率が高かったが、これを現在維持しているというのは並大抵のことではないと思う。