将棋の棋士を思い出す2018/06/03 23:00:19

棋士といえば、通常は将棋や囲碁のプロをいう。私が棋士という場合は通常将棋のプロの棋士だ。今、日本の人たちが知っている棋士といえば、現役棋士では羽生善治や藤井聡太であり、引退では大山康晴(故人)や加藤一二三だろう。さて、私が気になっている棋士は、もっと無名の人である。なお、以下棋士といえば日本将棋連盟のプロ棋士を指すものとする。

さて、無名の人とは永作芳也氏のことである。私が将棋に興味を抱いたのが小学校6年生のときだった。将棋のそのもののゲーム性に魅せられたのは当然だが、もうひとつ将棋のプロの世界の特異性にも心惹かれた。 中平 邦彦の「棋士 その世界」を相模原市の図書館で借りて読んで、その世界の神秘性に驚いたのだ。麻雀の牌の節目をみんな覚えているとか、秒読みで鍛えられるためか1分間が正確に測れるとか、有吉(道夫)と内藤(國雄)の因縁だとか、そういった週刊誌っぽいネタを満載した本だった。その中に、確か永作芳也氏のことが触れられているはずだ(当時はまだ奨励会だったと思う)。

永作芳也氏はプロ4段になったあと、自身の都合により引退した。将棋のプロは、日本将棋連盟の引退規定に抵触しない限り現役を続行するのが当然であり、自身の都合により引退することはめったにない。永作氏の引退が不思議だったのはそれだけではない。同じように自身の都合で引退した棋士として有野芳人氏がいる。永作氏と有野氏を比べてみると、有野氏は棋士番号122が与えられているし、日本将棋連盟のホームページにも記載がある。一方永作氏は棋士番号が139だったとWikipediaには記されている。また、日本将棋連盟のホームページには永作氏の記載はない。どうやら、一度棋士になれば、引退後も日本将棋連盟の会員となるようなのだ。そして、退会を行使したのは、棋士番号制度ができてからは永作氏ただ一人のようなのだ。

これ以上の詮索は控えよう。そんなとき、永作氏が最近小学生に指導をしているという記事を見かけた。うれしいことだ。

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